入社してから数年後に結婚して子供も授かり家族ができました。これにより自分が仕事で家族を養っていくのだという意識が芽生えました。家族ができたことによって仕事により真摯に向き合うようになり、もともと何か大きな志があって仕事に励んでいたわけでもない自分がこんなに変わるのかと驚きもありました。やはり結婚というのはどんな人にでも何らかの気持ちの変化をもたらすものだと思いました。
この頃から会社から期待されていることには何でも応えようと思い、仕事に対して受け身ではなく少し積極的になったかと思います。ただし、まだまだ自分から仕事を請け負ったり作り出したりというよりかは与えられた仕事をこなすことしか考えていませんでした。
ところが、結婚して数年後にあの阪神淡路大震災が起こります。兵庫県に住んでいましたので、被害には会いましたが、おかげさまで家族ともに無事で何よりでした。しかし、精神的にはやはり影響を受けていたのか、人生についてこのままでいいのかといろいろと悩むようになり、自分でビジネスを始めることを考えたりとても迷っていました。しばらく悩んでいましたが、やはり今の自分には今の仕事に打ち込む以外はないと思い、今までより夢中に仕事をするようになりました。
その後にそのせいもあってか先輩管理職の後任として候補に選ばれたので、その期待に応えようと思い、マネジメント関連の仕事や研修で鍛えられました。そもそも自分としてはITエキスパートを目指していたので管理職ということはあまり考えていなかったのですが、その当時は周りの期待に応えることで精一杯でしたので、がむしゃらに取り組んでいました。そのおかげで何とか管理職になることができたのですが、自分としてはその地位に少し戸惑いを覚えていました。
そのような自分でしたので、今から考えると当時は部下の指導育成はほとんどできていませんでしたし、また責任の重さによるプレッシャーで少し苦しかったです。自分の性格や特性からすると管理職はやはり合わないところがあったので、少し無理をしていた部分があったのだと思います。ですから誰でもそうだと思うのですが、自分に正直であることは大切なことだと今になってつくづく思います。(続く)