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遅刻してくれて、ありがとう―常識が通じない時代の生き方:トーマス・フリードマン(著)

遅刻してくれて、ありがとう―常識が通じない時代の生き方

トーマス・フリードマン著、伏見威蕃訳、日本経済新聞出版社

出版社の思惑通りに、題名を見ただけで興味を惹かれて手に取ってしまいました。

相手が遅刻をしたのに、ありがとうとはいったいどういうことかと思いましたが、そのわけは、相手が遅れてきたおかげで、自分のための時間、じっくりと考える時間を作ることができたからだということでした。

現代はとにかくすごいスピードで変化し続けています。特にテクノロジーはムーアの法則により幾何級数的に進歩しているので、人間の持っている適応力・調整力をすでに超えているようです。そのため人は立ち止まってじっくりと考える暇もなく常に何かに追われているように私自身も最近よく思います。筆者によると2007年を境にいろんなテクノロジー変化が同時に加速しているにもかかわらず、社会の変化はそれに追いついていないため、多くの人々がその変化に対応できずに戸惑っています。そして、今はみんな気が短くなっているようにも思います。

筆者は、そんな中だからこそ人は一旦停止をしてじっくりと考えることも必要で、内省と思考の時間が重要だと考えているようで、私自身もそれには大いに賛同します。進化するテクノロジーを我々がどのように利用するのかが肝心で、それは人間がじっくりと考えることによってしか適切に利用できないのではないかと思います。

これからはすべての人たちがインターネットに接続できるようになるでしょうから、これまで地理的な制限などでいろんな機会がなかった人たちにその機会が与えられるでしょう。また、このような急激なテクノロジーの変化は、今までになかった仕事を創出したり、人々が簡単に起業できたりする環境を提供しています。

この本はこのような状況を様々な事例を交えて紹介してくれていると思います。

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