過去にこれまで読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
穴 小山田浩子(著)
夫の転勤に伴い、夫の実家の隣の借家に住むことになる。
自分は仕事をやめて家に居ると、隣に住む義祖父や近所の人たちと出会う。
そんな中で、何かしら不思議な出来事が起こるが、それらはまるでその土地に慣れるために必要なことのように思える。
社会人大学人見知り学部卒業見込 若林正恭(著)
オードリー若林のエッセイ。
社会での人間関係や人との付き合い方など、いろんなことに悩みながら生きてきたことがわかる。
少し考えすぎではと思うこともあるが、時々自分にも思い当たるようなことが書いてあり、共感しながら読んだ。
各エッセイの最後には必ずオチらしきものがあり、さすがお笑い芸人だなと感心した。
億男 川村元気(著)
3000万円の借金を抱え、家族とも離れることになった男が、突然3億円を手に入れることになる。
大金を前に不安に襲われて、お金と幸せについて考えるために、親友を始め様々な人たちに会いに行き、答えを求めていく。
この答えは人によってそれぞれだと思うが、お金は生きていくために必要だが、お金を稼いだり、殖やすためだけに生きていく人生は送りたくないと自分は思う。
物しかかけなかった物書き ロバート・トゥーイ(著)
不思議なミステリ短編集。
風変わりな登場人物、ナンセンスな会話、不条理なあらすじ、少しホラーな場面、それぞれの物語にいろんなオチがあって考えさせられる。
謎解きのミステリとは違った味わいがあり、おもしろかった。
春の庭 柴崎友香(著)
過去に写真集として撮影された一軒の家と庭をめぐって、隣のアパートに住んでいる主人公と周りの人たちが動く。
家や庭は住む人が変わると、様相も変わり人とともに生きているようだ。
家や庭の中には、住んでいる人の何かがあらわれるのだろう。
また、都会では人の入れ替わりと同じように、家自体も壊されたり、建て変わったりして激しく変化していくことが普通なのだろう。
少女漫画家「家」の履歴書 週刊文春(編)
十二名の少女漫画家が過ごしてきた家の履歴について語る本。
漫画家なので、自宅に仕事場がある人が多く、デビュー当初は小さなアパートや借家から始まるが、売れていくにつれて、大きなマンションや一軒家に移っていく。
家の外で働いている人と比べると、家の中に居る時間が長いからだろうか、仕事と絡めて色んな思い出が語られる。
みんなそれぞれ思い出の家のイラストを描いているが、さすがにどれも生活感が溢れていて、そこでの生活がイメージされる。