過去にこれまで読んできた本について、読んだあとに書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
看守の流儀 城山真一(著)
刑務所の刑務官たちが様々な事件に対応する姿を描いている。
普段知ることのない刑務所の様子がとても興味深い。
また、公務員である彼らも、他の役所と同じような組織上のしがらみがあり、大変だなと思った。
そんな中で訳あり刑務官と受刑者のストーリーには引き込まれてしまった。
道徳教室 高橋秀実(著)
道徳が学校教育の一科目として教科化されたらしい。
道徳とは一体何か?何を学校で学ぶのか?
著者が関係者に取材をしながら、著者なりの解釈を述べている。
実際の先生や生徒の話が載っているが、自分も少し驚くようなことがある。
道徳という名のある特定の価値観が社会では必要なようだ。
アタラクシア 金原ひとみ(著)
複数の男女のそれぞれの視点から、それぞれの関係が描かれている。
不倫やDVなどの関係から、様々な感情が溢れ出てくる。
どれも理屈で割り切れるものではなく、人の感情の複雑さや理解し難いものを思い知らされる。
男女関係のある意味怖い面を見てしまったような感覚だ。
人の心の奥深さを改めて思う。
「おくのほそ道」をたどる旅 下川裕治(著)
著者が徒歩や路線バスを使いながら、松尾芭蕉が旅した「おくのほそ道」をところどころたどる旅をした。
なるべく彼らが旅した道をたどろうとするが、その道やそこを走る路線バスを見つけるのに苦労しているのは、現代ではその道を行き交う理由がなくなってきているからだろう。
ただし、芭蕉が訪れた名所などでは、著者自身もなにか感じるところがあったようだ。
土漠の花 月村了衛(著)
東アフリカに派遣されている自衛官が現地の女性を保護したために、壮絶な激闘に巻き込まれる。
救護が来ない状況で、攻撃される理由もわからない状況は最悪だ。
そんな中で次々と迫る危機に息もつけなかった。
相手を倒さなければ自分がやられるのならば、当然のごとく相手を殺さなければならない。
つまり、自衛官が人を殺すことになるが、普段我々はこのことを正しく認識しているのだろうかと思ってしまった。
ノースライト 横山秀夫(著)
ある建築士が建てた家をめぐり、物語が進む。
ノースライトとは建物の北側から入ってくる光のことだそうだ。
そのノースライトをどのように建物に入れて活用するかは、建築士の腕の見せ所らしい。
バブルがはじけてくすぶっていた建築士が、ノースライトを取り入れた家を建てることによって、立ち直っていくところは清々しい気分になった。