これまで読んできた本について、読んだあとに書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
羊と鋼の森 宮下奈都(著)
ピアノの調律師である青年が成長していく物語。
高校生の時にある調律師と出会い、その世界に引き込まれていく。
特別な才能があるわけではなく、失敗することも多いが、ピアノに対する愛情は変わらず持ち続けている。
何事も情熱を持ち、根気よく素直に続けていくことが、才能や技術より大切だということを改めて思わされる。
君の膵臓をたべたい 住野よる(著)
ある少女の秘密を知ってしまった少年との交流を描く小説。
通常であれば、あまりコミュニケーションができなさそうな正反対の性格の二人が、自分にないものをお互いに見ているからなのか、心を通わせていく。
人は他人と関わり合う中で生きているのだと思わされる。
永い言い訳 西川美和(著)
妻たちを事故で失った二人の夫と子供たち。
全く違うタイプの二人の夫のそれぞれの心境が、いろんな意味で共感できたり、痛かったりする。
愛情という言葉だけでは片付けられない複雑な感情は誰にでもあると思うが、自分はどうなのかと振り返ると少し怖い気がする。
大切な人への思いには、ていねいに向き合う必要があるのだろう。
動物農園 ジョージ・オーウェル(著)
農園で飼われていた動物たちが反乱を起こして人間たちを追いやり、自分たちで農園を治めていく。
その様は、人間が革命を起こして新しい国を作る過程のようだ。
初めは民主的な自治がなされるが、そのうち独裁者が現れて強権的な統治が行われる。
現実はよく知らないが、どこかの国を思わせる展開だ。
世界一やばい西洋絵画の見方入門 山田五郎(著)
ルネサンス以降の西洋絵画について、主な作家ごとに紹介している。
作家たちの関係や生涯について解説されていて、作品の背景などが想像されて興味深い。
今は名作と言われている作品が、当時はそうでもなかったりして、絵画の見方も変わっていくようだ。
また、作家たちも個性あふれる人達が多かったようだ。
世界の果てのこどもたち 中脇初枝(著)
満州で大戦中に出会った三人の少女たちが、それぞれ日本、中国で成長していく。
子供の頃の生活環境は自分では変えることができず、それを受け入れるしかないが、そんな中でも自分の気持ちをどのように整理していくかを求められる。
人はどんな環境でも真摯に向き合うことが大切なのだろう。