2010年前後頃から読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
デパートへ行こう! 真保裕一(著)
深夜のデパートで何人もの人が、それぞれ事情を抱えながら過ごす。
最初は何の関係もなさそうな人たちが、何らかの関連を持っていることが最後にわかる。
デパートの持つ人を引きつける力が背景にあるようだ。
最後は父と娘のハッピーエンドでよかった。
ぼくたちは大人になる 佐川光晴(著)
宮本達大、高3から受験までの物語。
勉強ができるやつだが、人とのつながりに戸惑いがある。
子供と大人の間で、なんだか懐かしい感覚だ。
カデナ 池澤夏樹(著)
ベトナム戦争の頃の沖縄で、ベトナムのスパイになる人達。
米軍女兵士のフリーダ=ジェイン、サイパン帰りの朝栄、
ベトナム人安南、沖縄生まれミュージシャンのタカ、
フリーダの恋人でパイロットのパトリック。
太平洋戦争の経験から色んな思いを持っている人たちだ。
ベトナム人を救いたい、戦時では非日常の感情が現れるようだ。
少し理解しづらいが。
すき・やき ヤンイー(著)
中国人留学生の女の子、姉が日本人と結婚。
高級すき焼き店のアルバイトで、着物で仲居さんの仕事。
韓国人留学生と日本人店長とが気になる。
恋の行方はどうなるんだろう?
めくらやなぎと眠る女 村上春樹(著)
24の短編集。
正直よくわからない物語もある。
主人公の友人知人が自殺している物語が多い。
「品川猿、ハプレイベイ、偶然の旅人、蛍」は引き込まれた。
フリーター家を買う 有川浩(著)
フリーター武城治が土木会社に就職して、うつ病の母を助ける。
面白くて一日で読んでしまった。
自分に対する甘えを克服したり、プライドの高い父にうまく対応したり、
人に対する気持ちを察していく優しさがすごい。