2010年前後頃から読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
巡礼 橋本治(著)
老人忠市とゴミ屋敷、近所の人達の吉田夫人や田村のお婆ちゃん。
忠市の半生を描いている。
真面目に生きてきたのに孤独になった。
弟の修次と片付けた後、四国遍路の旅に出る。
なんでこんな事になったのか。
人それぞれ何らかの理由はあるものだ。
猫を抱いて象を泳ぐ 小川洋子(著)
リトル・アリョーヒンというチェスの棋士の一生。ミイラという少女。
バスのマスターにチェスを教えてもらい、チェスクラブのエチュードでチェスを打つ
チェスというゲームがものすごく奥深いものとして描かれている。
姿を見せずに盤の下からしかプレイしなかったというトテモ謎めいた話だ。
身の上話 佐藤正午(著)
ミチル、不倫、宝くじ2億円、殺人、自殺、結婚、自首。
話が次から次へと展開していく。
ありそうでない話だ。
ミチルの心理がよくわからないけど、人間てあんなもんかも。
天才までの距離 門井慶喜(著)
美術探偵の神永美有シリーズ第二弾。
大学教授佐々木が関わる案件を神永が解いていく。
古美術品の真偽を見分ける目や洞察が描かれている。
古い物へのあこがれや執着などだけではわからない世界だ。
駅路/最後の自画像 松本清張/向田邦子(著)
松本清張の短編を向田邦子が脚本したものと対比して載せられている。
原作がこんなふうに脚本されるのかということに感心した。
脚本というのはいろんな仕掛けがしてあり、短い映像でたくさんのことを表現して、視聴者に考えさせたり理解させる工夫が必要だとわかった。
エトロフ発緊急電 佐々木譲(著)
開戦前真珠湾攻撃の情報をスパイする斎藤賢一郎を中心に物語が展開する。
エトロフ島のヒトカップ湾に集結する戦艦群を確認するためにやってくる。
ロシア人ハーフゆき、フロル人宣造、日本人以外の人種の複雑な気持ちも描かれている。
日本人といっても単一民族とはひとくくりに言えないと思う。