2010年前後頃から読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
神様のカルテ 夏川草介(著)
信州の総合病院のお医者さん栗原一止と妻ハルナ。
夏目漱石を愛する一見風変わりな話し方をするが、患者さんのことをとても愛している先生。
たぬき先生や御岳荘の人たち、看護師など個性あふれる周囲の人物たち。
一気に読んでしまったが、爽やかな読後感だ。
たまには、こんなのもいいよね。
植物図鑑 有川浩(著)
OLさやかはある冬の晩にイツキを拾う。
それは道端の草花に詳しい男で、その調理方法も詳しい。
主夫として家事をこなし、夜はコンビニでバイトをしている。
休日にはさやかと野草を狩りに行き、そして手料理を振るう。
一年が過ぎようとしたある日、突然イツキはいなくなるが、一年後いろいろと精算して、待っていたさやかのもとに帰ってきた。
身近な野草が意外と食べられることに驚いた。
ヘブン 川上未映子(著)
斜視の僕は、二ノ宮たちに苛められる毎日。
女子に苛められているコジマと手紙のやり取りから話をした。
でも斜視を直したいと伝えるとつきあってくれなくなる。
二ノ宮たちの策略でコジマと一緒に裸にされたが、それでもコジマは笑って受け入れていた。
最後は斜視を直す手術を受けた。
いじめの問題は奥が深い
新参者 東野圭吾(著)
日本橋署の新参者の加賀刑事が事件を解決していく。
いくつものサイドストーリーを展開しながら、解決に持っていくのはさすがだ。
夫婦、親子、恋人、友人、いろいろな関係を無理なく結びつけているのはすごい。
さすが東野圭吾。
40翼ふたたび 石田衣良(著)
吉松喜一は、40にして広告代理店を辞めて独立。
しかし現実はモリタニADという事務所で、何でもプロデュースするしかない。
それでも変わった人たちからの変わった依頼を受けて仕事をしていくうちに、人とのふれあいを感じて生きる活力を得ていく。
「人結び、人集め、40歳から始めよう」
このスローガンのとおり、元気をもらえる物語だ
桐島、部活やめるってよ 朝井リョウ(著)
高校生数名がひとり語りしていく形式。
桐島本人は登場しないが、回りの高校生がそれぞれの視点で高校生活を描いている。
自分が高校生だった頃の感覚がよみがえってくる。
あのころは何でも自意識過剰だった。
あの感覚は何となく分かる。