2010年前後頃から読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
ダブルジョーカー 柳広司(著)
D機関シリーズ第二弾。
相変わらず、裏の裏をかく展開だ。
だが、途中で何が真実かわからなくなってくる。
それが良いのかもしれないが。
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ 辻村深月(著)
仲の良い母娘に起こった悲劇の後、その娘の親友が娘を捜す。
娘のチエミと親友のみずほは、考え方の異なる女の子。
結婚して家庭を作ることを望む女子と、かたや大学に進み仕事もこなそうとする女子。
女子同士の付き合い方や考え方の違いをとても感じる。
でも子を生むことに対する感覚は同じようだ。
自分の価値観が全てではないとつくづく思う。
おれのおばさん 佐川光晴(著)
父が逮捕され、おばさんの営む養護施設に入った陽介は、そこから必死に勉強して大学を目指す。
施設にいた卓也たちとのやりとりや、母やおばさんたちの生き様が描かれていてなんだか壮絶だと思う。
世間ではこんな思いを抱えながら生きている人達がいる。
しかし、どんな辛いときでも子供の頃に愛された体験は、自分の基礎になっているのだと思う。
プリンセストヨトミ 万城目学(著)
真田大輔、橋場茶子、二人は大阪の空堀中学生。
松平、旭、鳥井、会計検査院の調査官たちが、大阪圏への補助金を調査していくうちに、大阪が全停止する緊急事態になる。
豊臣秀吉の没後から存続する独立国という設定だ。
大阪人にとっては痛快な設定のように思う。
とにかく、奇想天外な話だ!
ブラックチェンバー 大沢在昌(著)
犯罪組織のブラックマネーを狙う「ブラックチェンバー」に、スカウトされた河合とロシアマフィアや日本のヤクザとのサスペンス物語。
警察の組対や公安も入り乱れて、複雑な展開になる。
何が真実かわからなくなり、最後まで引き込まれた。
何が正義かは立場によって違うだろうな。
やすらい花 古井由吉(著)
男、女、老人、死と不思議な話が続く。
今は誰の話なのかよくわからなくなる。
女の匂い、昔、目に映るもの、五感を研ぎ澄まして何かを感じる描写。
人は何かを感じようとすれば、何かを感じるのだろう。