2010年前後頃から読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
大阪学世相編 大谷晃一(著)
帝塚山学院学長の著者が大阪について考える。
東京との違いや大阪人の特徴がそのまま描かれている。
なるほどとうなずくことが多いが、褒めているとさえ思われることを、東京の人は大阪人の悪いところを指摘していると取るようで、人によっては捉え方が全然違うと驚いた
十二番目の天使 オグ・マンディーノ(著)
妻子を亡くしたエリート社長が失意から立ち上がる物語。
突然の事故で最愛の妻と息子をなくして、生きる望みをなくした男にリトルリーグの監督の依頼が来た。そして、12人の少年たちと接するうちに少しずつ立ち直る。
特にティモシーという下手だが気持ちだけは前向きな少年に助けられる。
しかし、ティモシーは脳腫瘍のため亡くなってしまう運命だった。
でも、その運命を受け入れた少年の姿がとても感動的だ。
人の生き方を教えてくれる一冊だと思う。
新千年図像晩会 武田雅哉(著)
漢字の生い立ちや中国での扱われ方について説明されている。
中国人は漢字の書き方や文字そのものにはあまりとらわれないようだ。
日本人は正しい文字や読みかた、また意味をすごく気にしているが、中国人はそうでもなさそう。
「随便(スイピェン)」という細かいことにとらわれず柔軟に対応することが、中国では重要な概念らしい。
13階段 高野和明(著)
冤罪の死刑囚を救う刑務官と仮釈放された青年。
死刑を執行する刑務官の苦悩や犯罪者の社会復帰の難しさなどが綴られている。
ストーリーは二転三転して、どんどん読み進めていった。
死刑制度について考えさせられる。
猛スピードで母は 長嶋有(著)
母と子の母子家庭で、祖父母とは別で暮らす。
母の恋人は次々と替わるが、ある人と結婚するかもしれなくなった。
その様子を見ている子の視点も結構冷静だ。
なんだかんだ言っても、家族は家族で、特別なしかしある意味クールな結び付きがある。
どんな家族でも、こうでなくてはならないということはないと思う。
ニセモノ師たち 中島誠之助(著)
骨董業界のニセモノについて書かれている。
ホンモノは限られているから、ほとんどはニセモノだ。
その偽物をいかに売るか。
ニセモノであってもそれに価値を認めていれば、その分を支払うのは当たり前かもしれない。
いずれにしろ、この業界は騙し合いの世界のように思える。