2010年前後頃から読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
贖罪 湊かなえ(著)
4人の少女が同級生の殺人事件に巻き込まれ、そのお母さんの言葉を引きずっていく物語。
15年後の時効前にそれぞれが殺人事件を起こし、それをその母親が見送っていき、最後に犯人に突き当たる。
実は自分の犯した罪が引き金になっていた。
すごい話の結びつきだ。
ハッピーリタイアメント 浅田次郎(著)
財務省と自衛隊のノンキャリア役人が天下りで定年前に、JAMSという団体に行く。
ところが、そこで借金の取り立て業務を真面目に行ったために、返済不要の借金返済をしてもらい、溜まっていったそれを元手に、団体をやめ元銀行ウーマンと海外に行くことにするが・・・
自分のリタイヤとは、その後はどうするかを考えさせられる物語だ。
あの日にドライブ 萩原浩(著)
銀行で暴言により退職した40すぎの男が、タクシードライバーとして生活を見直していく物語。
退職するまでは銀行で仕事一筋で、家庭を顧みなかった牧村伸郎は、支店長に対する一言でやめざるを得なくなった。
タクシードライバーとして仕事を始めるが、今までの自分の選択が間違っていたのではないかと夢想ばかりしている。
そんな中で地道に仕事に取り組み、現在の家庭を見直すことにより、人生とはそれでも自分の選択だったことを悟る。
自分の人生はポジティブに考えなきゃ。
謀略法廷 ジョン・グリシャム(著)
企業の廃棄物による汚染の損害賠償裁判。
一審で原告が勝つが、州最高裁では選挙で選ばれる裁判官によって判決が左右されることになり、企業が雇ったコンサルタントが次々と仕掛けていく。
最後には企業側の裁判官が勝利するが、判決の直前に子供に事件が起こり、微妙な結果になる。
でもやはり大企業は強かった。金持ちは強かった。
華竜の宮 上田早夕里(著)
地球の地殻変動で陸地の殆どが海に沈んだあとの世界のSF長編もの。
陸上民と海上民との争いを仲介している外交官の青橙の奮闘が描かれている。
将来起こるマグマ噴火に対して、備えるように交渉して回るが、なかなか問題は解決していかない。
自分のアシスタントの人工生命体などが出てきて特徴的だ。
最後は、人類は何を希望に生きていくかを問いているようだ。
自然体 遠藤保仁(著)
南アフリカW杯直前までのサッカー人生を振り返った本。
今まで気づかなかったが、世界大会には悔しい思いをしてきたようだ。
しかし、それを感じさせない自然体がすごいと思う。
今まで妬みや諦めがなかったのか?
なかったとしたらやはりすごい男だと改めて思う。
このように自然体で振る舞えたらいいのになあ。