私は本が好きで時間があれば本を読んでいますが、はたしてそれが自分にとってどのような意味があるのかと考えたり、せっかく時間を使って読むのなら実のある読書にしたいと思ってきました。そこで、これまで読書に関する本を何冊か読んだので、いくつか紹介したいと思います。
いずれの本でも、読んでインプットするだけではなく、アウトプットすることの重要性を説いています。
本の使い方 1万冊を血肉にした方法 出口治明(著)
本を読むことが大好きな著者自身の本との取り組み方を紹介した本とも言えるでしょう。
「人生の楽しみは、馬の背の上、本の中、そして女性の腕の中」というアラブのことわざを引用して、読書の楽しさを説明しています。
下記に、本に対する愛情・敬意のようなものを感じる著者独特の言い回しを挙げてみます。
- 教養とは、一つでも多くのことを知りたいという精神のあり方
- 古典は人間が想像し探求してきた知の成果や果実が、世界中の人々に読みつがれて今日まで残ってきた書物
- リベラルアーツとは、奴隷ではない自由人として生きていくために必要な教養
- 本は著者が表現したいことを、コンパクトに纏めて提示するツール
- 本は時間軸と空間軸の視野が圧倒的に大きく、それをまとめて提示してくれる
- 新しい知識を学ぶときは必ず分厚い本から読む
- 古典を読んでわからなければ、自分がアホやと思いなさい
- 古典には人間の本質的、普遍的、根源的、基本的な喜怒哀楽が描かれている
- 古典を読めば、人間と人間社会に対する認識を比較的簡単に得ることができる
- 解説書よりも原典のほうが絶対に役立つ
- 読書は著者との一対一の対話、しかも立派な人との対話で、著者の思考のプロセスの追体験すること
- 1ページ目から素直に読んでいくのが正しい方法
- 本は食べるように読む。本の内容を咀嚼し腹に落として消化する
- ビジネス書は抽象化されすぎている。ビジネスにおける正解は、一つではなくすべてが応用問題
- アウトプットとは言語化すること
- 知りたいと思ったときにインプットして、感動したときにアウトプットする
- 本は楽しむためにある。自分が興味を持てる本から手に取ってみる
読書は格闘技 瀧本哲史(著)
本のタイトルがかなりインパクトありますね。
著者が「書籍を読むとは、単に受動的に読むのではなく、著者の語っていることに対して、本当にそうなのかと疑い、反証するなかで自分の考えを作っていくという知的プロセスでもある」というように、本を読むときは自分の考えと戦わせることが必要だと主張しています。
良書とは批判に値し、乗り越える価値がある本のことであるとも述べています。
この本では、あるテーマについて全く異なるアプローチの本を二冊紹介し、それらについて評論する形式で、その評論のなかでお互いの本が格闘を繰り広げるという組み立てになっているために「読書は格闘技」というタイトルになっています。
そして、読者自身がこの評論を通じて自分のものの見方と戦わせてほしいと要望しています。確かに、本に書いてあることをそのまま鵜呑みにするのではなく、自分の考えと戦わせていくことも必要なのでしょうね。