2010年前後頃から読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
買えない味 平松洋子(著)
台所用品にちなんだ話で、次から次へと色々な道具の話が出てくる。
著者は本当に食べ物や料理が好きなんだと思う。
確かにこれを読んでいると、道具を揃えたくなるし、一杯飲みたくもなる。
食べ物の話はあまり出てこないのに不思議だ。
パスタマシーンの幽霊 川上弘美(著)
女性、女の子の心模様を描いた短篇集。
女と男と家族と恋愛と仕事と色々あり。
女の子は女の子でも、色んなタイプあるよな。
やはり本質を理解するなんてするべきではない。
わからないから良いのかもと思うが、でも何となくそうなのかと思う部分もある
この本が世界に存在することに 角田光代(著)
本にまつわるテーマの短篇集。
本を通じて男女が描かれていたり、家族関係や友人関係に関わる話だったり、みんな本が好きで本が常に身近な存在としてある。
人それぞれに本との関わり方がある。
それがあるべき当たり前のことだろう。
人のマネをしなくてもいい。
Anotherアナザー 綾辻行人(著)
夜見山北中三年三組のミステリー。
転校生の榊原恒一、不思議な少女見崎鳴は、いないものとして扱われていた。
26年前の少年の死がきっかけに、次々と迷いの人死が起こる。
それを止めるための様々な試みがされるが、本当に止めるためには紛れ込んだ死人を殺すこと。
自分の母や叔母が密接に関係していることがわかる。
ありえない話(ホラー要素)だが、納得してしまうストーリーだ。
葉桜の季節に君を想うということ 歌野晶午(著)
俺成瀬将虎が巻き込まれるいろいろな事件が、最後には結びついていく物語。
登場人物がほとんどXXだと思って読み進めていくと、最後はみんなYYだったことがわかる。
いろいろな設定に少し無理があるような気もするが、話の筋は通っている。
あっと驚かせるという意味では、よくできた作品だと思う。
隠蔽捜査疑心 今野敏(著)
大森署長竜崎は、米大統領訪日のための警備本部長になる。
美人女性キャリア畠山が部隊に加わり、恋心を抱いてしまう。
理性一辺倒の竜崎が感情に揺さぶられる。
公安の「婆子焼庵」によって、開き直ることができ仕事も解決するが、冷静なキャリアの心情が揺れ動くところが今回の面白さ。
でもこんな性格の人はいないだろうな。