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書評・読書ログ:逝きし世の面影:渡辺京二

逝きし世の面影

渡辺京二(著)、平凡社

この本も改めて昔の日本について、自分の知らなかったことを教えてくれました。

明治維新前の日本には、本当に豊かな独自の文明があったのだと知らされました。

時代劇などを見ている限りはそのようなことは全く気が付かないのですが、来日した外国人の目を通してその頃の日本では実際どのような生活をしていたのかが分かり、改めて驚いたこともありました。

著者によると、日本の近代化は古い日本の制度や文物を精算した上に建設され、そしてその古い日本の文明が滅んだとしています。

例えば、いわゆるジャパニーズ・スマイル、日本のほほえみについては、後年不気味だとか無意味だとか酷評される日本人の照れ笑いではなく、すべての礼儀の基本であって、あらゆる場で無償で与えられるものだったそうです。それが、明治時代になると、日本の新しい階層の間では、陰りを見せ始めていたようです。

滅んだ古い日本文明の具体的な姿を知るためには、残念ながら祖先がその文明を記述した記録はないので、日本を訪れた異邦人の目からみた証言や記録に頼ることになります。

本書で紹介された古い日本文明の姿をいくつか挙げてみます。

これらの明治維新前の徳川後期の一つの完成した文明は滅びたようですが、私自身の感覚では現代の日本人の気質にまだ多少なりとも残っているような気がします。

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