「仕事ができる」とはどういうことか?
楠木建 山口周(著)、宝島社
「仕事ができる」と思われるためには、どうしたらよいか気になって読みました。
結論としては、スキルよりセンスが大切だということです。そう言われると、どうしようもない気もしますが、センスは後天的に習得できるらしいので、少しは希望が持てます。
仕事をする上では、いろいろな具体的な事象から、何らかに抽象化していく能力が問われているようです。
以下に、本書で私が重要だと思った点や気づきになった点など挙げてみます。
- なぜいつまで立っても商売に終わりがないのか。それは、問題の解決、それ自体が新たな問題を生み出すから。
- 問題解決における分析でいちばん大事なのは、これが原因ではないかというインスピレーションで、要するにセンスであり直感である。
- リベラルアーツというのは、自分の価値基準を自分の言葉で、自分以外の誰かに説明できること。自分自身で形成された価値基準が有り、それに自覚的であることが、教養があるということ。
- 様々な問題が解決されて、現在人類は暇になっているが、主観的には忙しい。
- 与えられた競技やルールを所与のものとして頑張るのではなく、自分にとって有利な競技やルール、勝てる場所を見つけに行くことを頑張る。
- 才能やセンスは自分にとって「できて当たり前」のことなので、きっかけがないと、「それが他人にとってはできないことだ」となかなか気づかない。
- センスと意欲のマトリックス
- センスはあるけど意欲はない:楽して勝とうとするので、大将向き
- センスがあって意欲もある:大将を支える参謀向き
- センスはないけど意欲はある:一番困る、部隊を全滅させる
- センスも意欲もない:KPIでしばいて現場をやらせる
- センスは鍛えられる。具体の情報を集めて抽象化する。抽象化や統合は人間にとって面白いので、自然にやりたくなる。
- インサイド・アウトの人は、「それはどうなるかわからないけど、自分はこうしようと思う」と思考する。最初の段階で正解を求めていない。
- 「スキルのデフレ化とセンスのインフレ化」が進行している。