過去にこれまで読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
神さまとぼく 山下俊彦伝 梅沢正邦(著)
松下電器三代目社長の物語。
思いもかけず社長を依頼されて、最初は固辞したらしい。
松下幸之助ともいくらか確執があったが、それは組織と個人との関係への考え方の違いのため。
山下は個を大切に思い、組織で働く人が幸せであることを一番に考えたようだ。
「人生は感激すること、感動すること」というのは、大切なことだと思う。
誰かが足りない 宮下奈都(著)
あるレストランの予約客たち、それぞれの物語。
みんないろいろな背景があり、そして誰かと一緒の食事をそのレストランに予約することになる。
それぞれの物語を最終的にはすべて予約客にもっていくところは、さすがに作家だなと思う。
人質の朗読会 小川洋子(著)
ゲリラの人質になった人々が、自分の人生の中で印象的だった出来事を朗読するという設定の物語。
自分の命がどうなるかわからない状況で、人は自分のことをこのように振り返ることができるのだろうか?
自分にはよくわからないところがある。
また、自分としてこのように語るべき出来事があるのか考えてしまった。
スローカーブをもう一球 山際淳司(著)
スポーツ選手の生の声というか、生の感情が語られている。
練習中にそして試合の中で、選手がどんなことを考えているのか。
純粋な気持ちもあるだろうが、人間的な感情が生まれていることも頻繁にあるようだ。
でも、このようなことをどうやって知ることができたのだろう。
ていねいな取材をすることで、可能なのだろうか?
偉大なるしゅららぼん 万城目学(著)
琵琶湖周辺に住む不思議な力を持った湖の民の物語。
高校生の日出涼介を中心に、いろんな力を持った人たちが登場する。
奇想天外なことがいろいろ起こるが、おもしろくて楽しく読めた。
このような物語の発想はどこから来るのだろう?
ビブリア古書堂の事件手帖 栞子さんと奇妙な客人たち 三上延(著)
とても風変わりな古書店の女主人、といっても若い女性だが。
古書の話題以外はまともに話もできない性格だが、持ち込まれた事件を見事に解き明かしていく。
少し怖くなるような性格だ。
四話に分かれているが、それぞれ関連をもたせているのはお見事。
もし、こんな女性が実在していたらどうだろう?