過去にこれまで読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
ロビンソン・クルーソーを探して 高橋大輔(著)
ロビンソン・クルーソーの実在のモデルが4年ほど暮らした無人島で、その生活の足跡を探す筆者。
今ではその島には人が住んでいるので、全くの無人島ではないが、それでも何か痕跡がないか探し続ける。また、関連する文献にもあたってみる。
とても根気のいる作業だ。
明らかになったことは多くはないが、それでもモデルとなった人物の生き様が想像される。
イリアス ホメロス(著)
古代ギリシャのトロイア戦争が舞台。
ギリシャ神話に登場するアキレウスやヘクトールなどの勇士たちの戦いと死を描く叙事詩と呼ばれる物語。
様々な人物が登場して、正直なところ、誰が誰か混乱するが、各人物が朗々と語るところはとても詩的だ。
戦いなので、多くの人たちが死に至るが、それぞれの人物の生い立ちがていねいに詳しく語られているのがすごいと思う。
また、神々と人々がやり取りするところは、神といえどもとても人間的で、日本神話に登場する神々に似ているように思う。
世界から猫が消えたなら 川村元気(著)
自分の余命があと僅かだとわかったら、一体何を望むだろうか。
元気な頃に、欲しかったりしたものや、やりたかったりしたことが、本当に望むものなのか?
いざとなると、それらは些細なものや取るに足らないことだったりするようだ。
自分なら何を望むだろうかと考えさせられる。
ワカタケル 池澤夏樹(著)
古代の雄略天皇の物語。
古事記などの記述に沿って書かれているが、誰もが想像するような人物として描かれている。
しかし、ワカタケルを取り巻く人達は、特に女性たちは個性的だ。
古代のヒミコのように、当時は女性が重要な役割を果たしていたのかもしれない。
いずれにしても、古代は分かっていないことが多いので、いろんな想像ができて楽しい。
1979年の歌謡曲 スージー鈴木(著)
1979年に発売された代表的な曲を紹介して、著者の視点で解説している。
50曲ほどの歌謡曲だけではなく、当時ニューミュージックと呼ばれた曲も含まれている。
著者は当時中学生だったようだが、それにしては本当に色んなジャンルの曲がカバーされていて、当時高校生だった自分も馴染みの曲が多く、興味深く読んだ。
この本を読むと、自分は歌詞や曲のアレンジなどについては、あまり意識して聞いていなかったことがよく分かる。
百年法 山田宗樹(著)
不老化処置により、不老不死が実現した社会で、処置後百年経ったら死ななければならない法律を巡って物語は進む。
長生きはしたいが、自分の死ぬときが決められてしまうのは、とても複雑な気持ちだ。
また逆に、自分が死ぬこともできないのは、それも問題なのだろう。
今自分が生かされていて、未来に希望を持てることこそ、幸せなのだろう。