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内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力:スーザン・ケイン

内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力

スーザン・ケイン(著)、古草秀子(訳)、講談社

自分は子供のころからどちらかというと内向的で引っ込み思案だったので、そのことに対しては少なからず引け目を感じている部分はありました。

なぜなら、アメリカでは顕著だと思いますが、日本でも幸福になるには社交的でなければならないという風潮があると思いますし、子供のころからそのように教えられる部分があると思います。また、社会に出ればリーダーたれと様々な機会で求められて、私たちは社交性に富んだリーダーが必要だと思い込みすぎていると著者は述べています。

しかしながら、世間を見渡せば中には謙虚なリーダーもいます。物静かで控えめ、寛大、温厚で良識的なリーダーがいます。そして、素晴らしい創造性に富んだ人々は落ち着いた内向型が多いそうです。内向型はねばり強いので、持続性を要求される課題に対しては外向型をしのぐ場合があり、内向型だったアインシュタインは、「私はそんなに頭がいいわけではない。問題により長く取り組むだけだ。」と言ったそうです。

ただし、内向型の人でも時と場合によれば、外向的にふるまうことを要求されることはあり、内向型の人は自分が重要視する仕事や愛情を感じている人々、高く評価している事物のためならば、外向型のようにふるまうことができるようです。

例えば、自分のことを振り返ってみても、過去にそのような場面はあったと思いますし、これからも時々あるでしょう。そして、外向型のようにふるまうことが自分で納得できるのであれば、それをやり遂げようとすると思います。

これからは、どちらが良いということではなく、内向型の人間がクリエイティブな発想やねばり強い持続力、緻密さといった独自の能力を存分に発揮し、社交的で行動力にあふれ瞬発力がある外向型と補完しあってこそ、素晴らしい成果がもたらされると著者は言っており、まさに同感です。これまでのように外向型であることのみが評価されるのではなく、内向型の人が秘めている能力ももっと評価されるべきだと思います。

これまで、内向型は外向型の人と比べて少し不利なのではないかと感じていたことがありましたが、この本を読んで自分としては何も引け目を感じることはなく、内向型であることにも勇気をもらいました。

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