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過去に読んだ本:一言書評・読書ログ-40

Michal JarmolukによるPixabayからの画像

過去にこれまで読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。

日々翻訳ざんげ 田口俊樹(著)

エンタメ作品の翻訳を手掛けて40年以上の著者が、自分の翻訳作品について振り返るエッセイ集。

過去の誤訳やいろんな失敗について懺悔する形式で綴られている。

これまでほとんど意識していなかったが、出版されている翻訳本でも結構な数の誤訳や訳されていない部分があるようだ。

現実は翻訳者でも意味がよくわからないところが多々あるようで、苦労している様子を知ることができた。

また翻訳者が変わると当然だが、訳文も変わることを考えると、どの翻訳者が手掛けた作品かで、作品の印象も変わるのだろう。

また同じ翻訳者でも時期が異なると、違う訳文にもなるようだ。

児童文学の中の家 深井せつ子(著)

欧米の児童文学の名作に登場する家や建物を、著者が想像を混じえて描いた絵本。

お城のような建物も出てくるが、昔の庶民が暮らしていた質素な家もとても趣がある。

「大きな森の小さな家」や「赤毛のアン」などの自然豊かな中に建つ家もあれば、「メアリーポピンズ」や「シャーロック・ホームズの冒険」などの都会の家もあり、いろんな家を見て楽しむことができる。

またどの家も長年大切に使われている様子がうかがえる。

カササギ殺人事件 アンソニー・ホロヴィッツ(著)

評判通りのミステリ。

いくつもの謎や出来事が出てくるが、それらがすべて最終的に回収されていくところは見事という他にない。

ミステリファンであれば、誰でも楽しめることは間違いないだろう。

とにかくこの本を読むことができて幸いであった。

ごろごろ、神戸。 平民金子(著)

数年前に神戸に移住してきた著者が、子供をベビーカーに乗せながら、神戸の街を歩いて書いたエッセイ集。

神戸の下町の商店街や子供が遊べそうなところを、たくさん訪れて紹介している。

読んでいるうちに自分も街歩きがしたくなる。

特に下町の飲食店の食べ物はどれも高級グルメとは言い難いが、とても美味しそうに思えて、食べに行きたくなるのが不思議だ。

屍人荘の殺人 今村昌弘(著)

新しい形の密室殺人ミステリ。

特殊でとても異常な設定がされていて、いろんな謎が出てくるが、きれいに解かれていくところは、読んでいてスッキリする。

著者は、自分の読書の趣味は雑多で本格ミステリに傾倒していたわけではないと述べているが、このような本格ミステリを書けるのは、特別な才能があるのだろう。

ラブラバ エルモア・レナード(著)

マイアミを舞台に、ある財産狙いの犯罪を巡って、いろんな男女が登場する。

ミステリの謎解きよりも、関わる男女の描写がとてもいい。

いろんな悪玉が出てくるが、誰もが少し面白みを感じさせる。

登場人物の皆んなが、自分にとっては想定できない行動ばかりするが、つくづくアメリカという国には、いろんな人達がいるものだと思う。

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