過去にこれまで読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
占星術殺人事件 島田荘司(著)
著者のデビュー作でありながら、見事なトリックに驚かされる。
読者が真相に迫ることができるように、いろんなヒントが散りばめられているのだが、なかなか謎を解くことができなかった。
計画していたことにある偶然が重なると、思いもしない結果を生み出すことがあると実感した。
よくこんなトリックを思いつくものだ。
さようなら、オレンジ 岩城けい(著)
異国で暮らす女達の物語。
オーストラリアという英語社会で、言葉に苦労しながら生きることの大変なことが伝わってくるが、女達はそれぞれ自分の価値観を大切にしながら日々生きている。
他人の気持ちを思いやることは大切だが、自分の価値観を押しつける危険もあることを考えさせられた。
多様性を尊重することとその難しさを改めて思った。
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 スティーグ・ラーソン(著)
全世界でベストセラーになったミステリ三部作の第一部。
さすがに一気に読ませるぐらい面白い。
これが後に第二部、第三部と続くのかと思うと、やはり期待が膨らむ。
著者は第三部まで一気に書き上げてから亡くなったらしいが、生きていればもっとたくさんの作品を楽しめたのにと思ってしまう。
島はぼくらと 辻村深月(著)
小さな島に住む高校生男女4人の物語。
都会と違い人間関係の濃密なところが、良くもあり大変なところもあるのが生々しく描かれている。
島を出て行く人もあれば、移住してくる人たちもいる。
故郷であっても、そこが必ずしも一番暮らしやすいわけでもない。
基本的には青春小説なのだが、いろいろ考えさせられるところもあった。
ランチのアッコちゃん 柚木麻子(著)
仕事中のランチなど働く人たちがとる食事を題材にした短編集。
会社や職場の問題をいろんな食事が解決していくような感じだ。
登場する女性たちが、いろいろな悩みを抱えて生きているが、食を通じて元気を出していくところはほのぼのする。
読んでいる自分もおいしい食事で元気が出てきそうだ。
教場 長岡弘樹(著)
警察官になるための警察学校とは、大変なところのようだ。
とても自分には務まらないし、そもそも警察官になる覚悟もない。
本来学校とは人を育てるところのはずだが、ここでは不適格な者を選別するところでもあるようだ。
規律がとても重要視されるが、警察のような組織では大切なことなのだろう。
あこがれだけで警察官になるのは大変だ。