過去にこれまで読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
TOKYO YEAR ZERO ディヴィッド・ピース(著)
終戦から一年後の東京で起こった殺人事件を追う警察。
敗戦後の占領期の日本は、まだまだ混乱が続いている。
物語も現実と過去の記憶が入り乱れて進んでいく。
戦争による過去の秘密を抱えている人も当時はたくさんいたようだ。
この頃の日本はまだ戦争の影響が大きかったのだろう。
首無の如き祟るもの 三津田信三(著)
代々続く旧家の跡取りに対する古くから伝わる祟り。
跡取り争いに関わる人たちが首無し死体で犠牲になる。
様々な謎が出てくるが、それらがある一つの事実によって解決されていく。
また、それらを裏付けるいくつかの伏線も用意されていて、後から納得できていたが、エンディングでは何が真実かまた考えさせられてしまった。
異界神社 ニッポンの奥宮 本田不二雄(著)
神社の奥宮と呼ばれるその神社の原点である場で、古からの状態を大切に保たれた場所がある。
日本各地の神社で特に古い由緒を持ついくつかの神社の奥宮を、筆者が訪れた旅の記録である。
どこの奥宮でも、そこにはとても神聖なものが感じられるようだ。
古の人たちが祀ってきた場所には、やはり何か特別なものがあるのだろうという思いを強くした。
いつか、紹介されている神社を訪れてみたい。
アヤとあや 渡辺優(著)
ひとりの少女が成長するにつれて、自分との向き合い方が変わってくる。
小さい頃は周りから見て自分が特別であることが、とても大切なことのように思える。
しかし、本当に大切なのは、周りからどのように見られるかではないことに気づいていく。
女の子にとっては、自分がどのように見られているかはとても重要なことのようだ。
そして誰もいなくなった アガサ・クリスティー(著)
言わずと知れたミステリの最高傑作の一つである。
十人の男女が次々と殺されていくトリックも見事だが、孤島に招き寄せられるところや童謡の歌詞になぞらえて物語が進められる舞台設定は、とても興味をそそられる設定だ。
また犯行の動機に至る犯人の心理的描写も、なるほどと感心した。
幽霊たち ポール・オースター(著)
ある私立探偵に奇妙な依頼が舞い込む。
それはある男を別の部屋から見張ることだが、その男は毎日ただ何かを読み書きしているだけだった。
その男の正体や見張りの目的が全くわからない。
人は目的のわからないことに対しては、とても不安に感じると思う。
そして、とても奇妙な世界に迷い込んでしまうのかもしれない。