システム部門は同じ会社なの?
システム部門の人間はユーザ部門の人たちからすると、ときには同じ会社とは思われずに、違う会社の人間に見られるようなことがあります。
ユーザ部門は当然自分たちの会社や部門の業績に一番関心があるわけですが、システム部門はビジネスの状況があまり気にならないことがあります。私も特に若い頃に経験がありますが、システム構築や開発の仕事に没頭していると、普段は会社のビジネスの状況に疎くなってしまい、自分たちが何のために仕事をしているかということをつい忘れがちになります。
システム部門はビジネスの状況などを意識していないと、ユーザ部門の要望の重要度が理解しづらいことがあります。例えば、ビジネスの状況を改善するために、早急な売上向上やコスト削減が必要になり、ユーザ部門からシステムに関する要望があっても、システム部門は単純にその要望を満たすために、できるだけ自分たちが進めやすい方法で対応しようとしたりします。ユーザ部門としては出来るだけ早く結果を出したいと思っていますが、そこで双方の意識にギャップが生まれたりします。
また、システム部門は自分たちが構築したシステムが、ユーザ部門でどれくらい役に立っているかというフィードバックをあまり受けることがないので、ユーザ部門の業務に貢献しているという感覚を持ちにくいという面もあります。
そのために、システム部門がビジネスの状況を意識せずに振る舞っていると、ユーザ部門はシステム部門の思考を理解できないことになるのです。
ユーザ部門(ユ)とシステム部門(シ)のあるある会話
(ユ):「今月の業績もなかなか思うように伸びていないが、目標まで後もう少しなので、もうひと頑張りだ。」
(シ):「うちもシステムの重要な改修がもうすぐなので、今が踏ん張りどころです。」
(ユ):(会社の目標達成に向けて今は全社一丸となっているはずなんだが、システム部門は何をやっているんだろう?)
(シ):(とにかくシステム改修には今が肝心なところなので、周りに振り回されずに行こう。)