天地開闢から国生み神話まで
古事記や日本書紀の神話、記紀神話では、天地開闢、すなわち天地の始まりからスタートします。天地が初めて生まれたとき、あるいは天地が分かれたときに、次々と神々が現れます。
アメノミナカヌシやクニトコタチという神々が現れた後、最後にイザナギとイザナミの神が誕生します。このイザナギとイザナミがいわゆる国生み神話での主人公で、日本列島の国土を創造していきます。イザナギとイザナミは男女二神で、イザナギのあまっているところでイザナミの合わないところをふさいで国土を生もうとします。つまり、夫婦になって国土を生もうというわけです。そのようにして、次の八つの島からなる大八島国を生み出します。
- 淡路島
- 伊予の二名島(四国)
- 隠岐の三子島(隠岐島)
- 筑紫島(九州)
- 伊伎島(壱岐島)
- 津島(対馬)
- 佐度島(佐渡島)
- 大倭豊秋津島(本州)
マイ古代妄想(私の個人的な解釈による誇大な妄想)
「聖書」での天地創造は、唯一絶対の神が創造主として天地、宇宙を創り出した話ですが、日本の神話では、まず天地、宇宙があって、後から神様が生まれてきます。そこには昔からの日本人の考え方が反映されているように思えます。まず、宇宙空間というか大自然というなにか畏怖すべきものがあり、それがすべての始まりであると考えていると思います。そして、そこからのエネルギーで最初の神々が次々と生まれてきます。そして、最初に生まれてきた神は性別がありませんが、その後はイザナギとイザナミのように性別も分かれて、まるで人間のようです。日本の神話で出てくる神様は、間違いや失敗をしたり、いろいろと感情を表したりと、全知全能の神ではなく不完全です。これらの神様は最終的には歴代天皇につながっていきますので、確かに人間のようでも不思議ではないですね。
また、日本列島を生み出す国生み神話は、日本列島がどこかにもともとあった土地で、日本人が移り住んだのではなく、日本人に固有の土地であることを主張する意味合いがあると思います。ただし、大八島国は近畿より以西の島が中心で、東日本についてはあまり語られていませんが、当時は畿内より東側についてはほとんど統治圏外だったためでしょう。
なお、イザナギとイザナミの国産みは初めうまくいきませんでしたが、それは女性のイザナミが男性のイザナギに声をかけたためで、改めてイザナギから声をかけたところ、無事淡路島が生まれたそうです。日本神話では、男女のあるべき交わり方まで語られているんですね。