主に80年代の音楽、アーティストや楽曲に関連した図書について紹介します。
伊藤銀次 自伝 MY LIFE, POP LIFE
伊藤銀次 自伝 MY LIFE, POP LIFE
伊藤銀次(著)、シンコーミュージック・エンタテイメント
80年代にソロでも活躍したアーティスト、伊藤銀次の自伝。
当初はバンドのギタリストとしてデビューをしようとしていたが、その後、バンド・ミュージシャン、作詞家、作曲家、アレンジャーやプロデューサーなど多岐に渡って活躍する。
80年代に大滝詠一、山下達郎、佐野元春などと出会い、激しい化学反応のようなものが起こっていくところなどは、当時彼らの音楽をよく聴いていたので、とても興味深く読んだ。
90年代以降も第一線で活躍していることは、とてもすごいことだが、彼の次のような考えが活躍し続ける秘訣のように思える。
「音楽というのは、細胞と同じで、常に変化し続けていくものだと思う。僕は生きている音楽が好きで、常にいろんなものと化学反応しながら変わっていくところを見たい。」
渋谷音楽図鑑
渋谷音楽図鑑
牧村憲一、藤井丈司、柴那典(著)、太田出版
1960年代から50年ほどの間に、渋谷の街から生まれた音楽についての本。
渋谷の街に日本のロックやポップスを代表するようなアーティストたちが集まってきて、新しい音楽が生まれていった歴史が語られている。
はっぴいえんどやシュガー・ベイブなどの著名なアーティストだけではなく、私自身よく知らなかったいろんなアーティストが登場してくる。様々な人達が出会うことによって、数々の名曲が生まれたようだ。
現代はコンピュータを使って、一人でも音楽制作ができるようだが、人が集まることの重要性を主張している。
また、この本には楽曲解析ということで、「夏なんです」や「DOWN TOWN」などの楽譜が付いており、音楽理論の面から、この本で登場するアーティストたちの音楽の特徴を解説している。
やっぱり、ただの歌詩じゃねえか、こんなもん
やっぱり、ただの歌詩じゃねえか、こんなもん 桑田佳祐 言の葉大全集
桑田佳祐(著)、新潮社
桑田佳祐がソロとして発表した作品の歌詞を集めて1冊の本にした。
以前にも、サザンの楽曲の歌詞を集めた「ただの歌詩じゃねえか、こんなもん」、そしてその続編を出しているが、ソロ活動を始めてから歌詞に対する思いも変わっていったようだ。
若い頃は、曲、メロディがメインで、歌詞はそれに彩りを添えるものぐらいの考えだったそうだが、年を経るにつれて、詩としての歌詩の力を感じているようだ。
歌詞ではなく、歌詩としているところも、詩として、読むに値するものを書きたいという思いからなのかと思う。
実際に掲載されている歌詩を読むと、相変わらず自分には意味不明なところもあるが、漢字の読み方を工夫したり、英語を交えてみたりと、使われている言葉、単語やフレーズには感心する。
月並みだが、やはり、桑田佳祐はすごいと思う。