日本を代表するポップスアーティストと言われている大瀧詠一に関する図書について紹介します。
ナイアガラに愛をこめて
ナイアガラに愛をこめて 大瀧詠一 ルーツ探訪の旅
木村ユタカ(著)、シンコーミュージック・エンタテイメント
大瀧詠一といえば、これまで「ロング・バケイション」の人ぐらいしか認識がなかったのですが、「はっぴいえんど」というバンドのメンバーでもあったり、他のアーティストにも楽曲を提供していたり、幅広い活動をしていたことを知りました。
自分がアーティストとして活動するだけではなく、というよりもそれ以上に、ラジオDJ,色んなジャンルの楽曲の解説・紹介、アルバムの企画などにも携わっています。
この本では、大瀧詠一が携わった楽曲のルーツとなる音楽を紹介していますが、エルビス・プレスリーに始まり、アメリカンポップス、R&B、ジャズ、ビートルズなどなど洋楽だけにとどまらず、クレイジーキャッツなどの日本のポップスも含めて様々な音楽を彼が聴いていたのだと分かります。
大瀧詠一 Writing&Talking
大瀧詠一 Writing&Talking
大瀧詠一(著)、白夜書房
大瀧詠一が生前に発表した、文章、エッセイ、評論、コラム、インタビュー、対談、コメント、ライナーノーツなどの様々な著作を集めて編集した本です。
膨大な文章が掲載されており、いろいろな場で自分の考えなどを表現してきた人だなと思います。
音楽に関しては、洋楽・邦楽のジャンルを問わずあらゆる音楽に詳しく、どれほどたくさんの音楽を聴いてきたのだろうと感心します。
また、趣味趣味男と呼ばれるぐらい、音楽だけではなく、野球や映画などにも造詣が深く、あらゆるエンターテイメントに関心や好奇心を持つ人のようで、それらに関する文章も含まれています。
楽曲制作については、自分をレコーディング・アーティスト、スタジオが活動の場である人物と捉えていたようです。音楽を発表することよりも、それを作っていく過程すべてを楽しんでいたのではないかと思います。
そして、3年周期ぐらいで自身の活動を変えていくようで、はっぴいえんどに始まり、ナイアガラ・レーベル、そしてロング・バケイションなど次々と違うことに取り組む姿勢は、同じことを続けるよりも、常に新しいことに目が向いていた人なのだろうと思います。