平成という時代にどのような音楽が生まれて、そして聴かれていたのかについて、評論されている図書について紹介します。
平成のヒット曲
平成のヒット曲
柴那典(著)、新潮社
本書では、90年代、00年代、10年代の平成の約30年間について、各年を象徴するヒット曲を選び、その時代を語っています。
平成という時代は、自分にとってはあまり音楽を熱心に聞いていたわけではないので、よく知らないヒット曲もあったのですが、それは昔ほど誰もが知っているヒット曲が出てこなくなったせいでもあるようです。音楽に限らず、個人の嗜好が多様化してきた現代では、誰もが聞きたくなるようなメガヒット曲は生まれにくくなっているのかもしれません。
そんな中でも、その時代に合ったヒット曲は現れてくるもので、そこには何かしらその時代を反映するような要素があると分析しています。
ヒット曲というものは、音楽そのものの評価だけではなく、時代背景にも左右されるものなのでしょう。
平成Jポップと令和歌謡
平成Jポップと令和歌謡
スージー鈴木(著)、彩流社
著者が2016年から東京スポーツに連載した最新ヒット曲を紹介・解説した5年間の記事をまとめた本です。
著者と同じような中高年男性に向けて書かれたものなので、私自身もずばりターゲットになります。
私自身ともすれば、過去の音楽ばかり聴きがちになるので、最新の曲も聴いてみたいと思いながら、どの曲を聴いてみればいいかよくわからないというのが実情でした。しかし、このようにいろんな曲を紹介してもらえば、その中から自分の気に入った曲を探せるので、たいへん参考になります。
2016年から5年間は、平成から令和に移る時代で、著者によると平成のJポップとは異なる新たなムーブメントが来ているそうで、それが昭和の時代に流行した歌謡に近いものがあると考え、それに対して令和歌謡という造語を当てて書名にしたそうです。
そう言われると、何か昭和の時代に回帰しているように思えるところもありますが、いろいろ進化している部分があるようです。
詳しくは本書で解説されていますが、昨今はレコードやCDではなく、サブスクリプション・サービスで曲が聴けるので、曲をつくる側もそれを意識しているようです。
いずれにしろ、今はサブスクで気軽に色んな曲を聴ける環境ですので、私も新しい曲にどんどんチャレンジしたいと思います。