過去に読んだ本:一言書評・読書ログ-54
これまで読んできた本について、読んだあとに書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
山猫画句帖 山本容子(著)
銅版画家である著者が作った俳句画集。
俳句とともに自分の版画作品も収録している。
句と一緒に掲載されている画とは、実は何らかの関連付けがされているらしいが、残念ながら自分には一見しただけではよくわからない。
巻末の解説には、画と句にはエロティックな寓意が隠されているとあるので、それを見つけられたら、面白いだろう。
沖縄アンダーグラウンド 藤井誠二(著)
沖縄の売春街の歴史や内実を、売春に従事する女性たちや風俗店の経営者などの関係者に取材を行い、明らかにした本。
官民一体となった浄化運動により今や沖縄の売春街は消滅したが、敗戦直後から存在していたことは事実だ。
売春街の良し悪しは別にしても、そこでしか生き延びることが出来なかった人たち、特に女性たちがいたことは認識すべきことだと思う。
商店街さんぽ あさみん(著)
今やどんどん消えつつある懐かしい商店街を紹介した本。
著者が全国の300以上の商店街を訪ね歩き、印象的な50の商店街を選りすぐっている。
アーケードや看板、店の佇まいなど、どれも新しいものにはない味わいがある。
自分が子供の頃に通った商店街を思い出すが、その商店街も今はその面影はほとんどない。
著者が言うように、今あるうちに行って見ておくべきなのだろう。
沖縄の街で暮らして教わったたくさんのことがら 藤井誠二(著)
東京と沖縄の二拠点に居を構える著者の日記。
沖縄で仕事をしながら生活をしている様子を読むと、観光で沖縄に滞在するのとは違って、沖縄には様々な面があることが分かる。
また、二拠点を移動しながら生活するのは、移動するのが苦にならない人でないと大変だろうなと思う。
地図で読み解く関西のことば 岸江信介、中井精一(編)
関西弁といってもいろんなバリエーションがあり、地域によって少しずつ異なっている。
その関西弁に関するいろんな研究をまとめた論文集。
関西人である自分は、普段あまり意識していなかったが、確かに地域で微妙に異なっている。
また年代によっても使うことばが異なってきている。
また、同じことばでも、意図や状態によって語尾が異なる使い分けをしていることに、改めて気づかされた。
中央分水嶺を旅する 栗田貞多男(著)
日本列島の背骨にあたる中央分水嶺にある山々を紹介している。
太平洋と日本海に流れる川の境界線であり、北海道から九州まで一本の線で結ばれる。
そこに連なるのは、当然日本を代表するような山々ばかりだ。
いずれの山も掲載されている写真が見事だ。
大自然の美しさに魅了されてしまう。