過去に読んだ本:一言書評-12

2010年前後頃から読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。

横道世之介 吉田修(著)

九州から上京してきた大学生の話で、バブル時代の大学生活が描かれている。

平凡だが憎めない世之介は、好色一代男の主人公の名前らしい。

いろんな友達や祥子ちゃんやさくらなどの女の子とのどこにでもあるような話。

自分の大学生活とオーバーラップするような感じだ。

眼を見なさい ジョン・エルダー・ロビソン、他1名(著)

アスペルガー症の男性の話で、40歳をすぎるまで自分がそういう症状とは知らずに、他人と違うことでいろいろ経験したことが語られている。

自分が他人とは違うとわかっても、そのためにどのように対応すればよいかを学んでいくことは大変なことだ。

昔はそのような症状が認知されていなかったから、なおさらだと思う。

みんな何らかの個性、違いを持って生きているのだから、みんなそれぞれ適応していくことが必要なのだろう。

アホの壁 筒井康隆(著)

なぜ人間はアホなことをするのかという考察。

アホなことだと思われても、それが本当にアホなことなのか?

学習することは大切だが、自分の思いを素直に表現するのは自由だと思う。

それを他人がどう思うかが問題なだけだが、これは本当に簡単な問題ではないと思う。

ムサシ 井上ひさし(著)

宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘後の物語。

6年後寺で出会い再び決闘を行おうとするが、周りの人々のひと芝居によって決闘をやめることになる。

無駄な死を遂げた人たちが、殺し合う虚しさを分かってもらうために、寺を訪れた人々に化けて武蔵と小次郎をだまして果たし合いをやめさせる。

最後にはお互いにその意味を悟ることになる。

確かにどんな苦しい悲しい日々があっても、生きていることに勝ることはないのだろう。

天空の陣風(はやて) 宮本昌孝(著)

陣借りの魔羅賀(まらが)平助と愛馬丹楓(たんぷう)。

傭兵であるが、公平で百人力の男だ。

様々な国でいろんな武人や女人に出会い、颯爽と駆け抜けていく。

カッコイイの一言。

水神 上・下 帚木蓬生(著)

筑後川の堰を作って、水路を作ろうとする5人の庄屋の物語。

命をかけて水路作りを完成させようとする助左衛門たちと、

打子、荒使子の元助が役夫として堰作りに参加する。

桶事故が起こるが、下奉行の源三衛門の切腹により救われる。

水を求める気持ちが何よりも勝る百姓の気持ちがただただすごい。

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