過去に読んだ本:一言書評-3
2010年前後頃から読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
父を葬る 高山文彦(著)
高千穂の山奥で父を看取って送る。
身内の死に至るまでの心模様は複雑だ。
死んでいく父が主人公。
看取る側は死んでいくものの気持ちを推し量らなければならない。
看病している母の女を見る。
悲しみは誰にも分かち合えない。
聖女の救済 東野圭吾(著)
湯川、草薙、内海薫などのガリレオシリーズ。
妻が夫を毒殺するが、結婚していた時から計画していた。
夫が自分のライフプラン(子を授かる)をとるか、妻への愛情を取るか。
直前に犯行したのでなければ、もっと前からではないかという発想の転換。
利休にたずねよ 山本兼一(著)
千利休切腹するまで、切腹から時代を逆上っていく物語。
あまりにも美を追求するあまりに、人におもねないところが秀吉の不興を買う。
自分に自信のある人。
ある女性(高麗の高貴な娘)を一生思って、形見の香合をもっていた。
美というものはそんなに一生を捧げるようなものなのか?
利休は人を人と思っていないところがあるのでは?
利休のような人間にはあまりなりたくないと思う。
でも誰でもそんな一面はあるのかもしれない。