書評・読書ログ:苦しかったときの話をしようか:森岡毅
苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働く事の本質」
森岡毅(著)、ダイヤモンド社
P&GやUSJでマーケターとして活躍した著者が、自分の子どもたちのために書きためたものをベースにした本です。社会に出ていく子どもたちに、父として自分の経験を踏まえて伝えたいことが、詰まっており圧倒されました。同じ子を持つ親である私は、ここまで自分の子供に対して思いを伝えてきたかと自問してしまいました。
また、本の題名のとおり、著者の苦しかったときの生々しい体験も描かれており、つい引き込まれてしまうことや思わずうなずけることがありました。
この本は著者が自分の子供に向けてという体裁で書かれていますが、内容は就活に望む若者だけではなく、自分のキャリアに悩んでいる人にとっても役に立つのではないかと思います。ただし、今の自分でもまだ参考になることが多いと思いました。
この本の中で私に刺さったことをいくつか挙げてみます。
- 今の自分の精一杯の価値観でキャリアを考える。もし将来それが変化しても、その時点で調整すれば良い
- 自分の特徴を必死に磨くことよりも大事なことはない
- 自分自身をブランディングしてみる。自分自身のキャラ設定をする。そして、自分のブランド、キャラ設定とできるだけ一貫した行動を取る
- 長いキャリアにおいては、逃げても良いときと、逃げてはいけない時がある。逃げてもよいのは、自分自身のブランディングにとって重要でない場合。逃げてはいけないには、戦うことがブランディングにとって大きなプラスになるとき。
- 自分が信じられないものを、人に信じさせることはできない。
- やめられたら困る人材として認識されないと、無力なサラリーマンでいる限り、後ろ向きな仕事は避けられない
- リーダーとして成さねばならないことは、何としても集団に結果を出させること
- 失敗しない人生そのものが、最悪の大失敗だ
- 人が自分の弱点を克服できたり、またはすべきなのは、その人の強みとなる特徴の周辺領域だけだ。それ以外はきっぱりと諦めて、人の力を活用することで問題を解決する
- 自分が変わりたいときは、時間がかかることを覚悟して、変わる努力を継続すること