過去に読んだ本:一言書評・読書ログ-64
これまで読んできた本について、読んだあとに書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
ソクラテスの弁明 プラトン(著)
偉大な哲人であるソクラテスがなぜ不正な死刑を宣告されたのか?
そして、なぜそれをそのまま受け入れたのか?
この本を読むと、それがある程度理解できるようになった。
ソクラテスが述べていることは、いつの世にも通じる正しさがあるように思う。
ただし、凡人の私としては生き延びるためにもっとやりようがあったのではないかと思ってしまうが、それではこの作品がこのように長く読み継がれることはなかっただろう。
書店主フィクリーのものがたり ガブリエル・ゼヴィン(著)
島に唯一ある小さな書店の少し変わった店主の物語。
愛する妻を事故で失い、一人で本を売っていたところに幼い女の子と出会う。
それから本を通じていろんな人たちとつながり、女の子も成長していく。
いくつかの悲劇にも襲われるが、それも人生の一部だろう。
本書には海外の他の作品に関する事柄が散りばめられているようだが、それらに関する知識があまりないので、よくわからないところが残念だ。
13歳からのアート思考 末永幸歩(著)
美術作品を観るときにどのように観るべきかについては、正しい答えはないのだろうと思いながらも、それでも何かヒントをつかみたいと思い読んだ。
特に近年のアート作品はよくわからないと思っていたので、なぜそれらが評価されているのか説明がされていて理解できた。
いずれにしろ、まずはじっくりと作品を見ることから始め、自分なりに考えなければ作品から何も得るものはないようだ。
呑み鉄、ひとり旅 芦原伸(著)
著者が日本各地のローカル線を、酒を呑みながら旅する。
鈍行列車で各駅に止まり、ときにふらりと下車してそこの風景や食事を楽しむ。
時間に追われる生活からすると、たっぷりと時間を使う旅はぜいたくだなと思う。
取材時は今から10年以上も前だが、紹介されている路線はどれも乗ってみたくなる。
先日実際にその中のある路線を乗ってみたが、紹介されている風景に出会うことができた。
未来とは何か ディビッド・クリスチャン(著)
未来とは一体何か?どうやって未来を予想するのか?
未来についてこれまでは漠然と現在の次にやってくるものとしか考えていなかったが、人間を含めてすべての生物は未来を予想して行動しているらしい。
人は過去を参考にして未来を予想するが、望むべき未来に向かっていくためには未来を待つだけではなく、今それに向かって行動することが重要なのだろう。
犬の記憶 森山大道(著)
写真家森山大道の写真に関するエッセイや自伝、そして写真が収録されている。
ある美術館でたまたま催されていた著者の写真展を観て、なぜだか興味を引かれて読んだ。
これまで写真についてはあまり関心がなく、著者のことも全く知らなかったが、著者が撮る路上の風景はいずれも自分がそこに居て観ているような感覚になる。
また自伝を読むと著者が意図せず写真に巡り会い、そしてのめり込んでいくところは、うらやましいと思うところもある。
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