過去に読んだ本:一言書評・読書ログ-65

これまで読んできた本について、読んだあとに書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。

かがみの孤城 辻村深月(著)

学校に行けなくなった女の子が鏡を通して自分と同じように学校に行けない子たちと出会う。

考えてみれば、学校というところはその地域に住んでいるというだけで、強制的に行かされているという見方もでき、少し怖い気もする。

学校だけではないが、人間関係が人に与える影響は大きいけれど、それに振り回されるべきではないのだろう。

JINEN自然 山内悠(著)

屋久島の森、主にその夜の風景を撮った写真集。

奇妙な形をした岩や木々が光の加減なのか、紫や青、そして緑色を帯びて見える。

著者は「じねん」という読みで、すべての存在はあるがままであるということを表現しているようだが、作品の岩や木々を見ているとまさにそこに意味や因果を見出すこと自体が無意味に思える。

パイヌカジ 羽根田治(著)

沖縄県の人口50人ほどの鳩間島。

その島の人たちと自然に魅せられた筆者が島通いをして綴るエッセイ。

島で暮らすということは観光とは違い島の人たちと濃密な時間を過ごすことだと分かる。

海の幸などは豊かだが、それ以外には何もない。

しかし、それがある意味豊かな暮らしとも言える。

事あるごとに島の人たちは集まって飲むが、その飲みっぷりは凄まじく唖然としてしまう。

犯罪 フェルディナント・フォン・シーラッハ(著)

様々な罪を犯した人間たちを描いた短編集。

人間が罪を犯してしまうのは、様々な経緯や背景があり、単純な理由では片付けられないことが多いと思う。

そのようなことを考慮すると、それぞれの犯罪が違った見え方がしてくる。

盤上の向日葵 柚月裕子(著)

将棋をめぐるある事件、そしてそれに関わる人間を描いた物語。

将棋の世界が厳しいことは知っていたが、その中に身を置くことは選ばれた人たちしかできないことだと思う。

そんな才能を持った人たちが、棋士になるだけではなく、様々な人生を歩むことになるのはなんの因果だろうと思ってしまう。

アルケミスト パウロ・コエーリョ(著)

羊飼いの少年がアフリカの砂漠を越えてピラミッドまで旅する。

宝物を目指していくが、旅の途中で様々な出会いがあり、いろんなことを学んでいく。

夢を持つことや自分の心と向き合うことは大切だと学ぶが、それ以上に夢に向かって行動していくことが結果はどうであれ人生を豊かにするのだろう。

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