過去に読んだ本:一言書評・読書ログ-69

これまで読んできた本について、読んだあとに書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。

贈与をめぐる冒険 岩野卓司(著)

贈与というものは基本的にお返しを伴うとか、相手より優位に立っていないと贈与ができないということは、これまであまり意識していなかったが、確かにそうだと思う。

贈与をうまく使えば、人々の生活を豊かにしたり、新たな贈与を生んだり、資本主義の社会にも新しい価値を提供できる可能性はあるのではないかと思う。

三行で撃つ 近藤康太郎(著)

文章の書き方の本。

記者でありながら、猟師でもある著者が狩猟になぞらえて説明しているところはおもしろい。

文章術にとどまらず、表現について述べているところは人生訓のようだ。

書くためには五感を使って感じなければならないことは意識したい。

表装ものがたり 濱村繭衣子(著)

表装とは掛け軸の書や画のまわりに施されている装飾のこと。

これまで掛け軸の真ん中にある書や画だけを作品として観ていたが、周りの表装も作品の一部であることがわかった。

表装は書や画の作者ではなく、作品の所蔵者が施すことがほとんどで、自分が鑑賞するのにふさわしいと思われる装飾をするようだ。

また、掛け軸は床の間に掛けるので、座って観るのにふさわしいように作られているらしい。

これからは掛け軸を観るときは表装も注意して観てみたい。

日本百名虫 坂爪真吾(著)

日本に生息している昆虫の中で著者が特筆すべきと思う100種が選ばれて、それぞれ解説されている。

虫の世界は多種多様で生態も様々で想像を超えるようなものが多く、まだまだ未知の世界があるようだ。

また、そのような虫たちを採集して調査・研究してきた歴史も奥深いことがわかった。

ゲーム理論入門の入門 鎌田雄一郎(著)

ゲーム理論とは、ある種の意思決定を行った結果、何が起こるかを予測する理論らしい。

その理論を著者がいろんな例を使ってやさしく解説している。

とはいえ、頭を整理しながら読まないと躓いてしまう。

現実の世界では、ゲーム理論をそのまま適用することはむずかしいと思うが、考え方のベースとして活用することはできるだろう。

文学入門 桑原武夫(著)

なぜ文学は人生に必要か、すぐれた文学とはどういうものか、そのような問いに著者が持論を述べている。

また巻末に、読むべき近代小説50選が載っている。

すぐれた文学を読むことにより、自分が新たな経験をすることができるというのはそのとおりだと思う。

人ひとりが実際に経験できることは限りがあるので、いろんな文学に触れることは大切だと思う。

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