書評・読書ログ:ニュータイプの時代:山口周
ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式
山口周(著)、ダイヤモンド社
本書の冒頭に書かれている次のメッセージが、私にはまず響きました。
「これまで優秀だと高く評価されてきた人材は、「オールドタイプ」として急速に価値を失っていくことになり、一方、オールドタイプに対置される人材が「ニュータイプ」として評価され豊かな生活を送ることになるでしょう。」
私自身最近仕事をしているなかで、何か腑に落ちないものがあるような、何か違和感があるような、なんとも落ち着かない気持ちが拭いきれずにいたところ、この本に書かれている次のような主張にとても共感をしました。
- 役に立つものから意味のあるものへ価値が移っていく
- 現代は、あるべき姿=ビジョンが不足している
- 手段としてのイノベーションやテクノロジーにこだわる必要ない
- 未来をどうしたいのかが重要で、未来を予測しても仕方ない
- AIなどの進化するテクノロジーによって、どのように人間を進化させられるか考えるべき
- 目標値を振りかざして部下を叱咤するより、目的と意味を語り、部下のモチベーションに訴える
- これからの時代は、金銭やモノを褒美とすることは有効に機能しない
- 組織の掲げる意味が、従業員や顧客を惹きつける競争優位の源泉となる
- たとえ正解であっても、他者と大同小異のような凡百の正解には価値がない
- 量的指標である経済成長に代わる新しい質的指標を問わなければならない
- 内発的モチベーションを持った人が、上司の命令で動く人より強い
- 解決策の策定ではなく、問題の設定がコアの仕事であり、リーダーの役割である
- たくさん試すことは必要だが、そのためにはうまくいかなかったことをやめることも重要である
そして、このような組織を実現するために、オールドタイプがリーダーの組織で自分がどのようなことができるのかについても、次のように述べています。
- オピニオン=意見をして行動を正す、あるいは、エグジット=その人のもとから逃げ出す
- 問う・疑うための技術であるリベラルアーツを、武器として身につける
- わからないものを排除するのではなく、じっくりと他者の声に耳を傾け共感する
- ときには勇気を持って、自分の美意識に照らしておかしいと思うことは声を上げる
- 組織内でしたたかに発言力・影響力を高める
確かに、上記のような行動を起こさない限り、あれこれ頭で考えていても何も変わらないのですが、いざ実際自分が行動しようと思うとなかなか難しいものです。