過去に読んだ本:一言書評・読書ログ-33
過去にこれまで読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
プリズム 百田尚樹(著)
家庭教師先に住んでいる男が多重人格。
そして、その多重人格の中の一人に惹かれていく女性家庭教師。
いろんな人物が登場するが、一人の人間からこんなに性格の違う人格が現れるのだろうか?
自分でも意識していないが、第三者から見れば、自分の中にいろんな面があるのかもしれない。
楽園のカンヴァス 原田マハ(著)
アンリ・ルソーの絵をめぐる物語。
キュレーターと美術研究者とのやりとりが繰り広げられる。
コレクターや美術館関係者が、どのように作品を扱っているのかよくわかった。
彼らの絵画に対する情熱などがとても感じられた。
また、物語としても、とても面白くて夢中になった
そして、美術館に行きたくなった。
海賊とよばれた男 百田尚樹(著)
出光佐三の物語。
とにかく熱い。まさに明治生まれの日本人だ。
一企業という視点ではなく、日本という国を考えた行動には頭が下がる思いだ。
社員を信じることが基本にあるから、少々のことではぶれない。
人を信じることの大切さと難しさを感じる。
こんな会社で働くのは大変かもしれないが、また楽しいことかもしれない。
きみはいい子 中脇初枝(著)
子供時代に虐待された人たちの物語。
母親からの愛情を受けることができずに大人になると、自分も自分の子供に同じようなことをしてしまうと怯える。
虐待は本当に心に深い傷となるのだろうと思う。
それでも、親子関係は変えられないところがつらい。
自分は幸いにも、親から愛情をもらって育つことができたことに感謝するしかない。
ふくわらい 西加奈子(著)
主人公の名は、鳴木戸定(なるきどさだ)、マルキ・ド・サドをもじった名前らしい。
よく知らなかったが、相当やばい人みたいだ。
そんな名前の主人公の女性は、やはり変わっている。
人の顔にある目鼻口などを、ふくわらいのように動かして考えたりするのが、楽しいようだ。
人それぞれ違う顔とか体とは、一体何のためにあるのか?
肉体というものを改めて考えさせられる本だ。
晴天の迷いクジラ 窪美澄(著)
若い男性の由人、中年女性の野々花、そして女子高生の正子。
それぞれが、苦しい思いを抱えて死にたいと思う。
そんな三人がたまたま出会い、ある湾内に迷い込んだクジラを見に行くことになるが、そこで出会った人たちとの交流で、気持ちを新たにしていく。
生きるということは、自分だけの問題ではないとつくづく思う。