過去に読んだ本:一言書評・読書ログ-38

過去にこれまで読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。

西洋アンティーク・ボードゲーム エイドリアン・セビル(著)

19世紀のヨーロッパの様々なボードゲームについて解説した本。

日本のすごろくと同じようにゴールへの到着順を競うゲームが主体で、一般的に「がちょうのゲーム」と呼ばれるゲームのルールを基本としている。

多様な題材を扱っており、道徳や宗教などの教育的な事柄だけでなく、旅行や戦闘、はたまたスポーツなどもゲームのテーマとして取り入れられている。

印刷技術が進歩したためかボード自体がカラフルで精巧な絵が多く、眺めているだけでも楽しくなる。

運を頼りにするシンプルなゲームを見ていると、子供の頃がよみがえってくる。

シャーロック・ホームズの冒険 アーサー・コナン・ドイル(著)

ホームズ・シリーズの最初の短編集。

「赤毛組合」、「唇のねじれた男」、「まだらの紐」など有名な作品が収録されている。

作品の中では、「一体何が起こっているのか?」あるいは、「それはどのようにして起こったのか?」などの謎が散りばめられている。

すべての事件が鮮やかに解決されるわけではないが、いろんな謎を事実や観察に基づいて解いていくところは、すべて論理的に組み立てられている。

やはりミステリーの名作だ。

迷走生活の方法 福岡伸一(著)

生物学者である福岡ハカセのエッセイ。

専門の生物学に関することだけでなく、文学、美術と多様な話題で著者の守備範囲の広さと、様々なことに興味関心を持って接していることに感心させられる。

コロナ禍時代では、まずなによりも自分の免疫力を上げること。

そのためには些細なことにとらわれず、朗らかに生きることが大切と説く。

著者の考えには、共感できることが多い。

県庁の星 桂望実(著)

県庁の若手が民間企業であるスーパーに一年間研修として働くことになる。

初めはちぐはぐな行動で様々な騒動を起こしていたが、次第にいろんな事に気づきながらみんなと息が合ってきて一緒に仕事に励むことになる。

組織の目的が違う役所と民間の違いをおもしろく描いていると思う。

点と線 松本清張(著)

時刻表トリックで有名なこの作品を、子供の頃に読んで以来久しぶりに読み直してみた。

犯人探しよりもアリバイ崩しが見所だが、見事に描かれている。

よくこんなトリックを思いついたと感心するが、確かに時刻表を見ていると、列車の行き来がイメージしやすいような気がする。

現代は乗り換えアプリなどで目的の列車の時刻表はすぐに分かるが、このような複数の列車の動きは分かりづらいので、時刻表というのは実はとても機能的なのだろうと思う。

さくら 西加奈子(著)

ある家族の物語。さくらという犬がいる。

家族にいろんな出来事が起こる。

楽しいこともあるが、とても悲しいこともある。

それらを家族一人一人が自分なりの受け止め方で対応していく。

そんな中でもさくらは家族みんなに対していつも変わらぬ愛情で接しているようだ。

犬の愛情はすごいな。

Follow me!

あなたのご意見をお知らせください。