過去に読んだ本:一言書評・読書ログ-42
過去にこれまで読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
Yの悲劇 エラリー・クイーン(著)
長く読み継がれているミステリの傑作。
謎解きはとても丁寧にされていて、ロジックにはつけ入るスキはない。
物語の中心となる一族もある種の謎に包まれており、そこにはロジックもあるが、何か得体のしれないものもあり、読者の空想を掻き立てるような気がする。
ミステリの名作には解き明かされない謎も残しておくことが多いようにも思う。
想像ラジオ いとうせいこう(著)
東日本大震災に関する物語。
想像上のラジオを通じて様々な人々が語り合う。
自分の身近な人達と語り合うことはとても大切だと思った。
また、思いがあれば亡くなった人たちとも語り合うこともできるのだろう。
ミレニアム2 火と戯れる女 スティーグ・ラーソン(著)
ミレニアム1で登場した人物を中心に物語が進むが、全く違う事件が展開される。
しかし、第一部で明らかにされなかった事実が次々と出てきて、パズルのピースがハマっていく感じで、一気に読んでしまった。
第三部も期待がされて、早く読みたくなるのも当然と思える。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 スティーグ・ラーソン(著)
第三部も期待以上の面白さ。
これも一気に読み通してしまった。
舞台が法廷にも移り、事実が次々と暴かれていくところにもスリルがある。
著者は第四部を用意していたところで急逝したらしいが、まだまだ謎が残されているようだったので、本当に残念だ。
去年の冬、きみと別れ 中村文則(著)
謎のエピソードが続き、話の前後繋がりがよくわからずに読み進めていくと、最後にいろんな仕掛けがつながっていく。
ただし、読み通してストーリーが分かった今でも、自分は何か読み落としや読み違えをしているのではないかという気持ちがある。
不思議なミステリだ。
聖なる怠け者の冒険 森見登美彦(著)
著者独特の幻想的な世界が京都を中心に繰り広げられる。
怠け者の主人公の信念のぶれないところは感服する。
またその他の登場人物も怠け者と働き者に二分されていているようで、その対比が面白い。
ある怠け者の登場人物が言った次の言葉に思わずうなってしまった。
「役に立とうなんて、思い上がりさ。」