IT部門あるある、社内システム部門でよくあること(その2):システムの目的は何か
システムの目的は何か
システム部門とユーザ部門では、システムに対する目的意識や見方・考え方が違うことがよくあります。
ユーザ部門はシステムを使って何をやりたいかが重要ですが、システム部門はユーザ部門のやりたいことがシステムで実現できるかできないかという観点が重要です。ユーザ部門からすれば、自分たちの業務を効率化したいであるとか、新しいビジネスや業務を始めたいと思ったときに、システムを使ってそれを実現したいと考えます。そのために、システム部門にシステムの構築や開発を依頼するのですが、システム部門はユーザ部門の目的などはあまり鑑みず、依頼された内容をシステムで実現できるかどうかという点にまず頭が行きます。
ユーザ部門はシステムによって、どんなベネフィットを得ることができるかが重要な関心事ですが、システム部門はたとえシステムが実現できるとしても、そのシステムが正常に動作するかや運用できるかに関心が行きがちです。
本来は、どのようなシステムを作るかを双方で話し合う前に、まずユーザ部門で何をやりたいのかを双方で話し合った上で、そのやりたいことを実現するために、どのようなシステムが必要かを検討すべきなのです。しかしながら、システム部門もユーザ部門の要望の背景や理由を自ら積極的に聞かないために、往々にしてユーザ部門が要望してきたシステムをどのように実現するかについて話が一気に進みがちです。そして、そのシステムの実現が困難であることがわかると、システム部門はそのシステム化は無理だと言いますし、それを受けてユーザ部門はシステム部門に対して不満を募らせることになります。
もし、そもそもの目的を双方で十分話し合っていれば、別のシステムを構築することで目的を達成していたかもしれませんね。
ユーザ部門(ユ)とシステム部門(シ)のあるある会話
(ユ):「今度新しいビジネスを始めるために、新しいシステムが必要なのだけど。」
(シ):「はい、ではどんなシステムが必要なのか聞かせてください。」
(ユ):(新しいビジネスを成功させるためには、システムにはこんな機能もあんな機能も要るな。)
(シ):(まずシステムで実現できるかできないかを確認しないと、うかつに引き受けられないな。)