日本古代史の謎、未だ解明されていない謎について(その4):イザナミの死、そして黄泉の国
イザナミの死、そして黄泉の国
国生みを終えたイザナギとイザナミは、次に多くの神々を誕生させていきます。しかし、イザナミは火の神であるヒノカグツチ神を生んだために、火傷で亡くなってしまいます。そこで、イザナギは、あまりの悲しみに火の神を切り殺してしまいますが、その剣や体から新しい神々が現れます。
その後、イザナミを忘れられないイザナギは、イザナミを追って黄泉の国を訪ねていきます。イザナミに帰ってきてほしいと語りかけると、黄泉の国の神と相談するので、その間自分の姿を見ないでほしいと言い残しました。しかし、イザナギはついに待ちきれずにイザナミのおぞましい姿を見てしまい、恐ろしくて逃げ出してしまいます。イザナミが追いかけてきましたが、イザナギが黄泉の国の出入り口を閉じようとしたときに、次のようなやりとりがあり、これが人間の生死の起源を物語っています。
イザナミ:「こんなことをするなら、私は1日千人を殺す」
イザナギ:「それならば、私は一日に千五百人の子を生もう」
マイ古代妄想(私の個人的な解釈による誇大な妄想)
イザナギが火の神を切り殺してしまいますが、最初に読んだときはなんとあっけなく殺してしまうのかと驚きました。しかし、その後の神話ではたくさん神様が生まれますが、死んだり殺されたりする神様もたくさんでてきます。いわば日本最初の殺人事件が起きているわけですが、このあとは男女の交わり以外でも神がどんどん生まれてきますので、古代の人たちにとっては人の生死はあまりに日常的なことだったのかもしれません。
そして、黄泉の国は死者が行く国ということですが、古代の人たちも死者がどこかにいるという感覚があったのでしょう。そして、黄泉の国でイザナミに決して見ないでと言われますが、最終的にはイザナギが見てしまうというお約束のパターンがでてきます。このパターンは、古来からの人類共通の物語だなあと改めて思います。また、イザナミが見たなあと追いかけてくるシーンは、ホラー映画のようにこれはとてもこわいですね。そして、黄泉の国の出入り口で二人は壮絶な夫婦喧嘩をして、このときは売り言葉に買い言葉なのかもしれませんが、イザナミの呪いで人は死に、イザナギの霊力で人は生まれるようになったというのは、人の生死になにかの意味付けが必要だったのかもしれませんね。