美術鑑賞-2:特別展聖徳太子と法隆寺

奈良国立博物館で開催されていた「特別展聖徳太子と法隆寺」を見に行ってきました。

特別展聖徳太子と法隆寺

入場に関しては日時指定制になっており、決められた日時に来館して、混雑を避けるように調整されていました。また、館内では新型コロナウィルス対策がきっちりとされていましたので、安心して観覧できるようになっていました。

今年2021年は聖徳太子の1400年忌という節目の年にあたり、本展では法隆寺の宝物を中心に、太子への篤い信仰が生み出した作品が展示されています。それらの中で、いくつか印象に残った作品について、以下に挙げてみます。

聖徳太子二王子像(しょうとくたいしにおうじぞう)

聖徳太子が真ん中で二王子が両脇にいる絵で、この聖徳太子は昔の一万円札の肖像としても有名なので、聖徳太子といえば、私はこの像を思い浮かべてしまいますが、今回の展覧会の作品で様々な聖徳太子像があったので、本当はどんなお顔をされていたのか興味深いところです。

夾紵棺断片(きょうちょかんだんぺん)

聖徳太子の棺の一部ではないかと考えられている板の断片です。この棺は漆で45層もの絹を用いて貼り重ねているらしく、ひと目ではよくわかりませんが、断片面を見ると何層もの構造が見られました。とても高貴な方を納めるために、大変な高級な棺を作ったのでしょう。

国宝 灌頂幡(かんじょうばん)

金銅の板を彫り透かして作られた豪華な幡です。絹製の豪華な幡も多く作られており、何メートルもの高さから吊るされていたようで、当時はとても荘厳な眺めだったのではないかと思います。当時の大変大きな権威というものを感じます。

国宝 聖徳太子(しょうとくたいし)および侍者像(じしゃぞう)

秘仏本尊として通常は拝観の機会がない本像です。この聖徳太子は少し眉が上がり、威厳に満ちたお姿です。厳しい姿勢で政務にあたっているような感じがします。

国宝 薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)

銅製の薬師如来が座っておられる像です。とてもふくよかな顔で、微笑みを浮かべておられるようです。この飛鳥時代頃の仏像は、その後の時代の仏像と比べて、とても丸みを帯びているような感じがします。

国宝 四天王立像(してんのうりゅうぞう) 多聞天(たもんてん)

日本最古の四天王像です。その他の四天王像とは違って、邪鬼の上で立っているだけで、動きが少なく独特ですが、とても規律正しく守っておられるような感じがします。

国宝 塔本塑像(とうほんそぞう) 羅漢坐像(らかんざぞう)

釈迦の死を悼いたむ人々の像で、それらの感情表現は見事です。天を仰いで歯を食いしばる人や大声で泣き叫んでいる人たちは、まさに彼らの悲しんでいる様子が側で見えるようです。

国宝 玉虫厨子(たまむしのずし)

玉虫の翅を敷いたりして飾られている工芸品です。古代仏教工芸の代表作としてよく紹介されていますが、思っていたよりも実物は大きく迫力がありました。また、それぞれの細工はとても細かくて、良く見てみないとわからないほどでした。

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