書評・読書ログ:運は数学にまかせなさい:ジェフリー・S・ローゼンタール

運は数学にまかせなさい 確率・統計に学ぶ処世術

ジェフリー・S・ローゼンタール(著)、中村義作(監修)、柴田裕之(訳)、早川書房

最近ビジネスで活用できるように統計学を学習し始めましたが、ビジネスだけでなく身近な生活でも統計学を活かす事ができるのではないかと思い、統計学の教授である著者の本を読んでみました。

本書の初めに、「確率やランダム性、不確実性の法則を知ることによって、より良い決断をし、自分を取り巻く世界をもっと鮮明に理解できるようになる。」とあり、期待通り、どのように統計学を活用できるかについて述べられていて、参考になりました。

以下に、本書で記述されていることで、私の気づきになったり、重要だと思った点など挙げてみます。

  • 私達はランダム性に騙されて、本来は偶発的な出来事の中にパターンや関係性を見出してしまう。
  • 長い目で見れば、カジノ側がかならず勝つ。
  • 大数の法則によれば、あるゲームが平均するとほんのわずかでも有利にできていた場合、長い間プレーし続ければ、必ず勝てる。
  • 傾向を見極めるには、回帰分析の手法を使うのが一番だ。
  • 起きる確率の極めて低い出来事は、おおむね無視したほうがいい。
  • それほど深刻でない損害に関しては、保険に加入するのはやめて、人生が台無しになるような損失に対して保険をかける。
  • p値が示しているのは、その調査結果の信頼性がどれだけ高いかということで、値が小さければ小さいほど、まぐれで出た結果である確率が低い。
  • 比例の定理(ベイズの法則の特殊なケース):もし、別々の可能性が最初の時点では同じ確率と考えられる場合、新たな証拠が出てきたら、それぞれの可能性に比例するように最初の確率を見直さなければならない。
  • 量子力学によれば、たとえ全く同じ条件で、全く同じ素材を使って、全く同じ実験を繰り返し行えたとしても、自然界に本来備わっているランダム性によって、全く異なる結果が出るかもしれない。

また、著者が偶然の出来事について統計学を用いて説明している次の著書も参考になりました。

それはあくまで偶然です 運と迷信の統計学

ジェフリー・S・ローゼンタール(著)、石田基広(監修)、柴田裕之(訳)、早川書房

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