過去に読んだ本:一言書評・読書ログ-73
これまで読んできた本について、読んだあとに書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。
オデュッセイア ホメロス(著)
ギリシャ神話の英雄オデュッセイアが、トロイア戦争が終わり故国へ帰るまで様々な苦難に見舞われる。
すべての出来事は神々の意向によるもので、神と人との深いつながりがある。
また、すべての神々が人間のように感情に動かされているところが興味深い。
騙し絵の牙 塩田武士(著)
低迷する出版業界で奮闘する編集者が主人公。
タレントの大泉洋が主人公のモデルらしい。
読み進めてもタイトルの騙し絵の意味がよくわからなかったが、モデルのとおり軽い主人公に終盤になって騙されてしまった。
星の子 今村夏子(著)
ある宗教を信仰している両親のもとで育つ主人公。
そのような環境で育つということはどのようなことなのか、子どもにとってもそれぞれ感じ方は違うだろう。
また、周りからいろんなことを言われるだろうが、それをどのように受け止めるかも子どもによって違うだろう。
何が正しいのか答えがあるわけではないが、人が信じるものについてとても考えさせられる。
崩れる脳を抱きしめて 知念実希人(著)
研修医である主人公とある患者との恋愛小説でもあり、ミステリー小説でもある。
いろんな場面でミステリー的な要素があり楽しめる。
個人的には主人公の元カノの思いに切なさを感じる。
新版画の世界 クリス・ウーレンベック他(著)
20世紀の日本の版画家による海外での作品展示会の図録。
日本の版画といえば江戸時代の浮世絵だけかと思っていたが、昭和初期まで多くの版画が制作されていたようだ。
どの作品もまるで印刷されているかのようにしか見えないところがすごい技術だと思う。
同じ絵柄でも色合いを変えることにより違う作品に見えるのは、絵画の連作のようだ。
百科の魔法 村山早紀(著)
地方の百貨店で働く人たちとそのお客様たちの物語。
それぞれの人たちに魔法のような出来事が起こる。
全員が百貨店に対する深い思いがあり、それぞれの人生に影響を与えている。
百貨店というのは、いろんな商品やサービスがあるからこそ、いろんな人たちに関わる場でもあるのだろう。