過去に読んだ本:一言書評・読書ログ-22

2010年前後頃から読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。

天地明察 冲方丁(著)

江戸時代に春海が作った大和暦の物語。

囲碁侍なのに算術、暦に一生をかけて取り組んだ。

何度も失敗や挫折を味わうが、くじけずに事を成した。

若い頃は学問の力だけでやろうとしたが、誤りを犯し、年をとってからは根回しや策で改暦にこぎつけた。

何事も戦略や戦術は必要だ。

でも、それをやろうとする気持ちがいちばん大切なのかもしれない

ワーカーズ・ダイジェスト 津村記久子(著)

30すぎのOL奈加子の仕事はデザイン会社と副業でフリーのライター、そして少し疲れ気味。

かたや同じ佐藤で、同じ生年月日のサラリーマンの重信、こちらも独身。

二人は一度同じ仕事で知り合うが、その後は別々にそれぞれの一年を過ごす。

周りの人々もどこかにいそうな人ばかり、それでも生きている。

奈加子がとても可愛く魅力的に思える。

競売ナンバー49の叫び トマス・ピンチョン(著)

若い元愛人が富豪の遺産を託される。

それから、いろんな人物が登場して、現実か夢かわからないような事柄が次々と起こる。

またよくわからないが、いろんなギャグも盛り込まれているらしい。

ヨーロッパやアメリカ、メキシコなどの宗教歴史的背景をもとに現代を批判しているようだ。

アメリカの60年代を反映している作品のようだが、よく理解はできないというのが本音。

ポトスライムの舟 津村記久子(著)

ナガセ、独身女性、20代後半、就職した会社をやめてから工場でパートとして働いている。

ふとしたことから、世界一周のための資金を集めようとする友人たち。

結婚したり、独立したり、家出をしたりといろいろ。

それでもなんとか生きていこう。

もう一編「12月の窓辺」

ツガワ、会社でのつらい日々。

だけど、もっとつらい思いをして働いている女性たち。

チーム 堂場瞬一(著)

箱根駅伝の学生選抜チームの物語。

自分の大学チームは出場できないが、個人で選抜されて出場できる選手たち。

しかし、モチベーションをどうやって上げるか、チームとして一つになれるのか。

個性的な浦、山城、門脇たちが、だんだんとひとつのチームとして、たすきをつなぐようになる。

陸上競技の個人としての戦いというのは、チームとしての戦いになれるのか。

日本人に合った駅伝だと思う。

椰子・椰子 川上弘美(著)

奇妙な夢の物語。ありえないような生き物や人が出てくる。

よく読んでみると、なにかおかしく思えてくる。

本当にこんな夢を見るのだろうか。

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