美術鑑賞-3:グランマ・モーゼス展

大阪のあべのハルカス美術館で開催されていた「グランマ・モーゼス展」を見に行ってきました。

グランマ・モーゼス展

入場に関しては検温の機器が設置されており、館内では新型コロナウィルス対策がきっちりとされていましたので、安心して観覧できるようになっていました。

本展は、グランマ・モーゼス(モーゼスおばあさん)の愛称で親しまれたアメリカの国民的画家、アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼスの生誕160年を機に企画された展覧会です。初期の作品から100歳で描いた絶筆まで、また愛用品なども含めて多くの作品が展示されています。

グランマ・モーゼスは、無名の農婦から、70代から本格的に絵を描き始めて、101歳で亡くなるまで描き続けてきたそうで、人生において何かを始めるのに遅すぎることはないと実感します。

彼女は絵画について本格的な教育を受けたわけではありませんでしたが、彼女の素朴で色鮮やかな風景画はなぜか心を惹かれるものがあります。ほとんどの絵がとても活気あふれていて美しく描かれているのは、彼女の常に前向きな生き方そのもののような気がします。

それらの中で、いくつか印象に残った作品について、以下に挙げてみます。

窓越しに見たフージック谷

窓越しに見た谷の景色で、窓の周りにかかるカーテンが印象的です。木々の緑も細かな葉まで見えるようです。

フージック川、冬

川岸に密集して並んでいる冬の木々がとても細かく描かれていて、そこに何かが潜んでいるような感じがします。

絵を描くための作業テーブル

グランマ・モーゼスが絵を描くときに使用していた木製のテーブルです。テーブルの脚の部分には、モーゼスの風景画が描かれており、それらがまた見事です。自分が使用する道具に対して、とても大切に愛着を持っていることに感心します。

洗濯物を取り込む

急な雨が降ってきて洗濯物を取り込む様子が描かれていますが、人々は急いでいる様子もなくのんびりと作業をしています。よく見ると、中には微笑みながら作業をしている人もいて、どんなことでも動じないようです。

キルティング・ビー

風景画ではなく、室内で大勢の人々がキルト作りやごちそうのテーブルを囲んでいます。人物の表情が細かく描かれているわけではありませんが、みんなとても楽しそうに見えます。また、テーブルや椅子などは写実的にではなく、独特な描写ですが、とても雰囲気が伝わります。

農場の引越し

引越しのために大勢の人々が荷物をまとめたり運んだりしています。色鮮やかな家財道具や農作物が描かれていて、とてもにぎやかな様子です。引越していくときは少しさみしい雰囲気もあると思うのですが、この絵ではそんな感じはなく、みんなで何かを祝っているようです。

冬の牧場

一面雪で覆われた冬の牧場の風景です。しかし、冬の景色にも関わらず青い空が描かれているためか、暗い風景ではなくとても明るい雰囲気がします。彼女の明るい気持ちが反映した絵なのでしょうか。

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