美術鑑賞-7:特別展「加耶」

九州国立博物館で開催されていた特別展「加耶」を見に行ってきました。

特別展「加耶」

本展では、3世紀から6世紀にかけて、朝鮮半島中南部に興った国々の総称である加耶の興亡の歴史をたどり、加耶をはじめとするさまざまな地域の発掘調査出土品を展示しています。また、古代朝鮮半島と倭国がどのように交流していたかを知るために、日本列島にやってきた「渡来人」たちがもたらした文化・技術も紹介されています。

それらの出土品などを見て、いくつか印象に残ったことをご紹介します。

鉄で作られた鎧は、着用する武人の体型に合わせ、細長い鉄板をつなぎ合わせて作っています。間近に見ると、その大きさや形がわかり、実際に着用していた姿が想像できます。

鉄で作られた太刀も多く展示されていました。いずれも実物を見ると重量感があり、振り回すのは一苦労なのではないかと思えました。

加耶では鉄の生産が盛んだったようで、鉄の斧、鉄の延金、鉄の矢じりなど多くの鉄製品が展示されていました。

鴨の形をした土器がありました。その鴨の頭の上に小さな人物が伏せるように乗っているのですが、鳥は死者の魂を運ぶと考えられていたようです。実物を見ると、まさにぐったりとした死者のようです。

酒などの液体を温めるための容器があり、お燗をして飲んだら美味しそうと思ってしまいました。

西方からもたらされたガラス容器がきれいに輝くように展示してあり、当時これを見たら大層驚いただろうと思います。

当時料理に使われたかまどと蒸し料理に使う甑(こしき)という土器が展示されていました。甑は、底に穴が空いていますが、その中に食べ物を入れて、その穴から蒸気が入るようにした器です。その器をその底が上になるように逆さまに展示してあり、それをある角度から見るとかわいいキャラクターに見えます。

最後に印象的だったのは、馬や牛の埴輪を集めて展示してあり、写真やビデオで見るとただの置物にしか見えないのに、実物を見ると、なぜか生き生きとしてとても可愛く見えたのが、なんだか不思議でした。

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