過去に読んだ本:一言書評・読書ログ-62

これまで読んできた本について、読んだあとに書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。

オー・ヘンリー傑作選 オー・ヘンリー(著)

オー・ヘンリーの全短篇から傑作20篇が選ばれている。

「賢者の贈り物」や「最後の一葉」など有名な作品はもちろん、それ以外にも思わずうならせる作品が多々ある。

登場人物が特別な人たちではなく、身近にいる、そしていろんな苦労をしている人たちであるところも感じ入りやすいのだろう。

桜風堂ものがたり 村山早紀(著)

ある本屋の書店員たちの物語。

出版不況のなか、本をできるだけたくさんの人たちに届けたいと奮闘する書店員たち。

自分も本が好きなので、書店員たちの本を愛する気持ちはわかるが、そのために労を惜しまないところはすごいと思う。

ベストセラーになるような本は、本の中身がすばらしいだけではなく、その本を届ける書店員たちの支援も必要なのだろう。

暗幕のゲルニカ 原田マハ(著)

反戦をモチーフにしたといわれるピカソの絵画、ゲルニカをめぐる物語。

この絵が持つあまりに強烈なメッセージにより、いろんな国や人たちの政治的な思惑がうずまく。

また、この絵を見た人たちの人生に大きな影響を与えるなど、アートの持つ力のすごさには驚くしかない。

実物のゲルニカを見ることは難しいだろうが、レプリカでもゲルニカを一度見てみたいと思う。

絵画とタイトル ルース・バーナード・イーゼル(著)

絵画にタイトルがついているのは当たり前だと思っていたが、実はそうではないようだ。

昔は絵の発注者は画家が何を描いているのか分かっているため、タイトルがなくても問題なかったようだ。

しかし、絵が大衆に流通するようになり、絵を識別するために画商などがタイトルを付け始めたらしい。

言われてみれば、本来タイトルがなくても絵は鑑賞できるものだし、逆にタイトルに引きずられることもあり得るだろう。

iアイ 西加奈子(著)

シリア生まれでアメリカ人と日本人の夫婦に育てられたアイ。

彼女が養子だからなのか、または彼女の個性なのか、自分自身を深く見つめる姿勢はあまりに深すぎて、そこまで考えなくても良いのではと思ってしまう。

しかし、自分がなぜこのような環境で暮らしているのかを考えると、当たり前だと思っていたことが、そうではないことにも気付かされる。

風の歌を聴け 村上春樹(著)

久しぶりに村上春樹のデビュー作を読み直してみた。

自分が学生だった頃を思い出す。

主人公の<僕>のように、誰でも若いときは自分のことも他人のことも独特な感性で見ているのかなと思う。

だからなのか、青春というもののほろ苦さみたいなものを感じる。

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