過去に読んだ本:一言書評・読書ログ-30

過去にこれまで読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。

空白の五マイル 角幡唯介(著)

チベットの奥地、ツアンポー川流域にある空白の五マイルと呼ばれる、人が踏み入ったことない峡谷に挑む物語。

著者が探検する前に、挑戦したいろいろな冒険家たちの過去の軌跡もていねいに記述されていて、その峡谷の歴史がよく分かる。

著者は大学卒業後と新聞社退職後の2回挑戦しているが、特に2回目の単独行は命の危険にさらされてハラハラした。

実際に空白の五マイルを踏破して、著者が目にした光景について何を感じたか詳しく記述はないが、何を目にしたかより自分がそこに行ったことに意義があるのだろう。

ぼくの目ざわり耳ざわり 普久原恒勇(著)

沖縄の作曲家である著者のエッセイ。

いろんな話題について綴られている。

日常生活で気づいたことを、ウチナーグチ(沖縄方言)を混じえて語られている。

正直ウチナーグチはほとんど理解できないが、沖縄では独特の言葉が使われていたのだと実感できる。

また倭(ヤマト)日本の本土との比較で語られることも、自分にとっては当たり前だと思っていたことが、沖縄の人たちにはまた違うこともあるのだと気づかされた。

ウチナーグチはカタカナで書かれているとわかりづらいが、実際に語られる言葉を聴くとまた印象が違うのではないかと思う。

雪男は向こうからやって来た 角幡唯介(著)

著者がヒマラヤ山中に雪男を探索に行く隊へ参加する。

著者は初め半信半疑だったが、隊員たちや関係者の話を聞いていくうちに雪男の存在を受け入れていく。

第三者の冷静な目からすれば、ほとんど存在の可能性は低いと思われるが、関係者と一緒にいたり現場に身を置くと、思いが変わってくるのかもしれない。

雪男自体は、人が作り出す何か得体のしれないものという感じがした。

ラノベ古事記 小野寺優(著)

古事記をラノベ風に超訳した小説。

全ての神様にいろいろなキャラが設定されていて、本当にそんな性格だったのかと思わせる。

そして、そのキャラが結構的を得ているように思われるから不思議だ。

神様にも性格があるのかと思うが、神話の世界では全く不自然な感じはしない。

また実在の人間、元明天皇や太安万侶、稗田阿礼などもキャラが設定されており、楽しく読むことができた。

古事記は物語的な要素が多いので、こんな読み方も面白く一般受けするのでは?

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