過去に読んだ本:一言書評・読書ログ-46

過去にこれまで読んできた本、特に小説について、読んだ当時に書き留めたことなどをもとに改めて一言ずつ書いてみます。

満願 米澤穂信(著)

ミステリ短編集。

どれも奇妙な事件が起こるが、その背景には意外な事実が隠されている。

そして、それらは各登場人物の思いもよらぬ信念や思いが元になっている。

それらがあまりにも極端なものになると、恐ろしい結末になることがうまく描かれている。

幻の女 ウィリアム・アイリッシュ(著)

ある晩、男が奇妙な帽子をかぶった行きずりの女と食事などをして家に帰ってみると、妻が殺されていた。

犯行に彼のネクタイが使われていたことなどから、死刑執行をされる身になってしまう。

彼の無罪を証明できる幻の女を巡って物語が進む。

手がかりがつかめたと思うと、また次の問題が出てきて、どんどん引き込まれてしまう。

獄門島 横溝正史(著)

ご存じ金田一耕助が登場する名作。

瀬戸内海の島の網元一族で起こる殺人事件。

閉鎖的な島の人たち、戦後の混乱期、一族の特殊な人間関係など、何ともおどろおどろしい物語の舞台設定がとてもユニークで、ここなら何が起こっても不思議ではないと思わされる。

横溝正史のミステリの舞台設定は、この独特なところがとても特徴的なので、おもしろい。

アイネクライネナハトムジーク 伊坂幸太郎(著)

恋愛ものや家族ものなど出会いに関する物語の短編集。

各物語の登場人物が少しずつ重なっていて、そのつながりが面白い。

著者が斉藤和義の大ファンで、彼の歌詞らしいものが物語に組み込まれている。

本当は歌詞を書いてほしいと斉藤和義から依頼をもらったが、著者は歌詞は書けないので、小説を書いたのがこの作品だ。

鹿の王 上橋菜穂子(著)

領土拡大による争いや感染症との戦いなど、まさに今の世相を表しているかのような物語。

人は何のために生きるのか?

病で亡くなる人と助かる人との違いは何か?

答えがないような問いや人によって答えが異なるような問いが投げかけられる。

自分の生き方が問われているような作品だ。

世界を一枚の紙の上に 大田暁雄(著)

世界の国々を描いたいろんな地図が紹介されているのかと思いきや、地形だけでなくそれらに付随している情報、例えば生息している植物の名前などを一つの絵や図の中で視覚化しようとしてきた歴史を紹介している本。

確かに、人は何でも視覚化されている方が理解しやすいのは間違いないので、それを実現しようと様々な試みがなされてきたようだ。

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