ビジネスでのIT活用術(IT初心者向け)-11:システムが動かなくなったらどうする?

システムを使って業務を始めると、もしそのシステムが使えなくなったときに業務に影響が出ます。特にその業務が定型的な業務で定時に実施しなければならないような場合は、システムが使えなくなると大変困ります。そこで、そのような場合に備えて何を考える必要があるかというと、万一システムが使えなくてもどうすれば業務を継続することができるかを計画することです。そして、この計画のことを事業継続計画(Business Continuity Planning, BCP)といいます。

そもそもBCP(事業継続計画)とは、災害などで人員や設備に被害があったときに、どのように事業を継続するかを計画することですが、この考え方は大規模な災害のときだけではなく、小規模なシステムトラブルのときでも適用できる考え方だと思います。つまり、どんな小さなシステムでも、そのシステムが使えなくなったときに業務に影響が出るのであれば、BCPを考えておく必要があります。

それでは、そのBCPはどのように作成すればよいでしょうか。例えば、もしシステム化する前に業務を実施していた方法があれば、それがたとえマニュアル操作で時間がかかるとしても、その方法をBCPとして計画することがひとつの考え方です。

また、別の考え方としては、システムが使えるようになるまで待つということも一つのプランです。待つだけなのにそれがBCPなのかと思われるかもしれませんが、BCPとしてなにか別のやり方で業務を一旦始めると、今度システムが使えるようになったときに、システムを使ったやり方に戻すための対応が必要になり、場合によっては混乱を招き容易にシステムを使用再開できないこともありえます。ただし、システムが長期間使えなくなったときに、会社の事業そのものに大きな影響を及ぼす場合は、待つだけのプランでは不十分です。

そのような重要なシステムの場合は、代替システムを考えることも必要です。代替システムとは本来のシステムとは違いますが、必要最低限の業務は継続できるようなシステムのことです。会社の事業にとってとても重要なシステムであれば、ここまで準備が必要な場合もあります。

最後に、BCPはリハーサルをしておくことが大切です。システムが使えるようになるまで待つだけのプランであれば、リハーサルはいりませんが、例えばマニュアル操作で期待通り業務ができるのかどうかとか、またシステムが使えるようになったときにスムーズにシステムの使用再開ができるのかなどをテストしておくべきです。机上で考えたプランだけでは、往々にして絵に描いた餅になりかねません。また、代替システムを準備する場合は言わずもがなです。

BCPなんて本当に必要なのかと思われるかもしれませんが、もしシステムが使えなくなった場合について考えることは、業務そのものを見直す意味でも大切だと思います。

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