ビジネスでのIT活用術(IT初心者向け)-19:システム運用は手間がかかる

システムは開発が完了したら終わりではなく、それからが始まりです。つまり、開発したシステムを使うことでシステムを開発した目的を達成するわけですから、システムを使用する運用のフェーズがとても重要です。そして、システムを構築するまでは大変だけど一旦構築できたら、その後システムを使うのに特に手間暇はかからないと思いがちですが、実はシステム運用は手間がかかるのです。

まず、システムを稼働させている間は、システムが正しく動作しているかを監視しておく必要があります。また、システムをいつ稼働させるか、すなわち稼働時間を決めるのは注意が必要です。システムを稼働させている間は監視が必要ですから、それを実施するオペレーション要員を確保できる体制が必要です。特に、リアルタイムシステムは何か問題が発生したときには、その問題を早急に解決することが必要ですので、そのための緊急対応ができる体制も必要です。

また、ユーザーからの問い合わせに対応したりするシステムサポートや、システムの不具合に対する修正や新しい機能の実装などを行うためのシステムメンテナンスも必要です。つまり、システムを運用していく上では、継続的なシステムのメンテナンスが求められます。システムをメンテナンスする場合は、通常はシステムを停止して実施することが多いので、稼働時間とは別にメンテナンス用の時間を確保することも考慮しておかなければなりません。

そして、このような問い合わせ対応やシステムメンテナンスを実施する要員などに対しては、もちろんある程度の費用が必要になってきます。しかし、システムを開発するときに相当な費用がかかることは一般的に認識されていても、これらの運用にかかる費用が、多少かかることは理解されていても、実は結構費用がかかることはあまり認識されていません。

これは今までの私の経験からも、社内の多くの人たちは、役員の方たちも含めて、システムを開発するときには大いに関心を持ち、それなりに費用がかかることにも理解を示してくれますが、開発が完了して一旦運用が始まると、システム運用に対してはさほど関心が払われずに、常に費用削減を迫られることがよくあります。本来はシステム開発をする時点で運用に必要な体制や費用も十分に検討されるべきだと思いますね。

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